特色のある医療
- 排卵障害・卵管閉塞・男性不妊症・抗精子抗体などによる免疫性不妊症の診断・治療を専門としています。
- 子宮筋腫や子宮内膜症の手術(腹腔鏡・子宮鏡)も行っています。(ご入院:1号館9階婦人科病棟)
- 無精子症の方の精子採取術、精索静脈瘤の手術もおこなっています。(ご入院:1号館8階泌尿器科病棟)
- 反復不成功や高年齢の方々の不妊治療のご相談も承っています。
- 流産等を繰り返される不育症や習慣性流産の方々の診察も行っています。
不妊治療法の基本 〜 step up法とは 〜
- 不妊症の原則はより自然に近く負担が少ない方法から取り組み、次第に高度な治療法へ移行します。これを“step up”法と呼びます。
- 第1 stepは“タイミング法”とよび、超音波検査法で排卵期を予測し、自然の性交渉で妊娠する方法です。
- 第2 stepは“人工授精”という方法で排卵期にご主人の精液を調整し、パートナーの子宮腔内へ注入します。
- 第1および第2 stepで排卵誘発剤を併用することがあります。
- 第3 stepは“体外受精”や“顕微授精”という方法で、受精卵をパートナーの子宮腔内へ原則1個移植します。複数の受精卵ができた場合も、多胎妊娠を予防するため残りは凍結保存します。
生殖医療センターでART反復不成功の方々に対して試みている治療法
- ICSIでも受精率が低い方へ、カルシウムイオノフォアという卵活性化剤を併用するICSIを行い、受精率の向上をめざしています。
- 良好胚盤胚はできるものの反復して着床しない方へ、自己末梢リンパ球(PBMC)を子宮内に注入し、胚盤胞の着床率改善を目指しています(SEET法)。
- 受精卵(胚盤胞)が孵化(ハッチング)しにくい方へ、受精卵を包む透明帯は凍結後に硬化し、孵化しにくくなります。そこで融解後に透明帯を開口して孵化を補助し、着床率を向上させます(assisted hatching)。この方法は新鮮胚にも行えます。
生殖医療センターにおける新たな取り組み〜 難病を克服し、将来の妊娠のために 〜
- がん治療等を目的として抗がん剤投与や放射線治療が行われています。若年のがん女性はこれらの治療の後に卵巣機能が低下し、将来妊娠しにくくなることがあります。その対策を“妊孕性温存”と呼びます。
- 当センターでの取り組み
- 既婚女性への受精卵凍結
- 未婚女性への卵子凍結
- 初潮前の卵巣凍結