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■遺伝子への影響
●人間について、放射線による遺伝的影響が発生したというはっきりした事実は報告されていません。
一つ一つの細胞の中にはDNAというものがあり、このDNAは放射線によって切断されたり傷つけられたりしますが、
細胞にはその傷を治す能力があります。
●その修復の際に何らかの異常が生じると遺伝子の突然変異に結びつきます。
●これが生殖細胞で起こると、遺伝的影響を引き起こすことがあるのです。
つまり、生殖細胞に放射線を受けなければ遺伝的影響は現れないということです。
●また、放射線被ばくによって現れる障害は自然に発生するものと区別がつかず、診療用の放射線を被ばくしたことにより、
この遺伝的影響が発生する可能性は、遺伝性疾患の自然発生率よりもはるかに低いものです。
自然発生率は以下のとおりです。
■遺伝的影響の発生確率
■妊婦さんの被ばく
●大量の放射線を被ばくした場合に、不妊になることがあります。
ただし、自然放射線や医療放射線による被ばく線量で不妊になることはありません。
●放射線による不妊は、ある一定の線量を超えて被ばくしない限り影響は現れません。
受けた線量が少ない場合は、一時的に不妊になります。
これは被ばく後しばらくの間子供ができにくくなるということで、何ヶ月かすぎるとまたもとに戻ります。
●大量の放射線を受けると永久不妊となりますが、放射線作業従事者でも受ける可能性はまずありません。
つまり、特殊な事故等により、生殖腺に大量の放射線被ばくをするという異常な事態がない限り、一般の人がなることは考えられません。
■不妊に関する生殖腺被ばく線量
■主なX線検査による生殖腺の被ばく線量
●小児のX線検査の場合、できるだけ線量を少なくし、しかも必要な部位だけ撮影するように努力しています。
また、生殖線に当たらないように鉛などで防護を行ったりします。
●他に、コンピュータを使った画像処理を用いることによって線量の低減につとめていますので、不妊や癌になる心配はありません。
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