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■X線検査を受けるとき
「写真を一度に何枚も撮影する」、「何回もX線検査を受けている」、「X線検査したとき撮影室に一緒にいた」などが気になります。 X線検査は、病気の発見や治療の経過観察をするためなど、医師が必要と判断した必要最小限の枚数分だけ撮影しています。
■どれぐらい被ばくするの?
1回の撮影で受ける放射線量はごくわずかですので妊娠している女性以外は心配いりませんが、妊娠の心配のある方は、検査を受ける前に医師とよく相談してください。ちなみに、日本では年間に自然界(宇宙、地中、自分自身)から受ける被ばく線量は年間約2.4mSvです。
■標準的な撮影枚数と被ばく線量
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医療放射線防護の最適化のための診断参考レベル(DRL)2015
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■当院における一般撮影の撮影時線量(DRLとの比較)
2015年6月7日に本邦での「医療放射線防護の最適化のための診断参考レベル(DRL)2015(以下、診断参考レベル)」が発表されました(www.radher.jp/J-RIME/report/DRLhoukokusyo.pdf)。
これには日本国内の病院や診療施設で用いているX線撮影のための典型的な線量が示され、それぞれの施設で線量(撮影条件)が最適化されているかどうかを判断するための指標となります。
2015年6月に測定した当院における単純X線撮影線量を「診断参考レベル」と共にグラフに示します。赤い棒グラフが「診断参考レベル」、青い棒グラフが当院での線量を示しています。
当院では最新のデジタルX線撮影システムを使用し、良い画質を担保したうえで線量をおさえ放射線防護に努めております
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■胸部撮影で影響はあるの?
妊婦または妊娠可能な女性が放射線の検査を受けるとき、どのようなことに注意したら良いでしょうか? 胸部X線検査の場合、X線は胸部にしか照射されず腹部にはあたらないので、胸部写真を何枚撮っても生殖線被ばくは、ほぼゼロと考えられています。しかし、放射線が胎児に与える影響は、受精から8日までの着床時期であれば、流産を起こす可能性があります。そうでない胎児は正常に発育します。
■妊娠周期による違い
受精後2〜8週の器官形成期では、奇形発生の可能性が最も高い時期となります。しかし、このような影響を与える放射線量は、100mSvを超える線量といわれています。病院で検査に使用される放射線量は非常に少なく、胎児に対しての影響は腹部では約100回を一度に受けないと100mSvに達しません。
■その他の原因
胎児に異常を引き起こす要因には、食品添加物や医薬品など様々なものがあり、なにが原因なのか判断することは難しいことです。また、100人に3〜5人の胎児に何らかの異常が自然発生するといわれていますので、妊婦が受けた医療用放射線だけで胎児への障害が発生すると考えないでください。
■それでも不安な時は…
いずれにしましても検査に対して不安がある時は、ご自分だけで判断せず主治医とよく相談して検査を受けて下さい。
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