兵庫医科大学病院 放射線技術部 技師室







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子宮頚癌の放射線治療について

■はじめに
  子宮頸癌の放射線治療は、手術をせずに直すことを目的として照射を行う 「根治的放射線治療」 と、手術を行った後に予防的に照射を行う 「術後放射線治療」 の2つに分かれます。

■放射線治療の方法について
    治療方法は、通常、放射線を外から照射する外部照射と、中から照射する内部照射(腔内照射・密封小線源療法)を組み合わせて行います。

        
 

子宮頚癌の外部照射について

■全骨盤照射
 通常、腫瘍の部分だけでなく、リンパ節転移を予防するために、リンパの流れに沿った領域も含めて治療を行います。

■副作用
 外部照射のおもな副作用は、下痢・食欲不振です。下痢は腸の粘膜が放射線によってダメージを受けることで起こりますが、治療期間が終われば治まってきます。
( 治療の効果・副作用等は、担当の医師から十分説明させて頂きます。 )


■治療計画装置で計算された照射範囲と線量分布図
 
          《照射範囲例》                      《線量分布図例》

       《水平断面》            《冠状断面》              《矢状断面》

 

子宮頚癌の内部(腔内)照射について

■子宮に専用器具を挿入
  子宮の内部照射では、タンデム、オボイドと呼ばれる専用器具を子宮内に挿入します。そして、その器具に放射線がでる線源を送り込み、治療を行います。

    また、この治療法のメリットは、腫瘍に直接、強い放射線をあてることができるうえに、線源から離れた正常組織への線量を少なくできることです。

■副作用
 時に直腸出血を起こすことがあります。
( 治療の効果・副作用等は、担当の医師から十分説明させて頂きます。 )


■IGBT(Image-guided brachytherapy)画像誘導小線源治療
図1のようなアプリケーターを体内に挿入した状態でCTを撮影することにより、アプリケーターと腫瘍、周囲臓器との位置関係を把握することができます(図2)。
 図2においてアプリケータ内にある赤い点は小線源が停留する位置を表しています。小線源治療はこの停留する時間を調整し治療を行います。IGBTでは治療計画時に停留位置および時間を調節 することにより腫瘍に当てる線量を変えることなく周辺臓器への線量を減らすような最適化を行うことが可能です(図3)。また臓器ごとの被ばく線量の把握が可能なためより安全に治療を行うことが出来るといえます。
 

                    《図1 タンデム・オボイド アプリケーター》


                      《図2 アプリケーターと臓器の関係》


                       《図3 線量分布図》

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