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腹部のIVR
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肝動脈化学塞栓術 TACE(transcatheter arterial chemoembolization)
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TACEとは肝臓細胞がんの治療法の一つです。肝細胞がんは、進行すると肝動脈の血流が豊富になり、腫瘍への栄養を供給するようになります。
足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、肝臓内の腫瘍を栄養する細い動脈までカテーテルを進め、そして抗癌剤などを入れ、ゼラチンスポンジ等の塞栓物質で動脈の血流を遮断し、腫瘍細胞を壊死させる治療法です。
正常な肝細胞はそのほとんどを門脈から栄養されているため、動脈を遮断しても壊死しません。
この方法は、がんを栄養している動脈に直接抗がん剤を注入するため、がん以外の正常な部分に影響が少なく、効果が期待できるうえに全身の副作用が少ないという利点があります。
肝細胞癌を栄養している動脈は1本と限らないので、治療中に複数回の血管撮影やCT撮影を行い確認を行いながら治療を進めていきます。
「EmboGuide（エンボガイド）」というアプリケーションを用いることでより高精度な治療戦略サポートが可能となります。
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| TACE前後のCT |
| 治療前：周りよりも少し黒い部分が肝細胞癌 |
| 治療後：肝細胞癌に塞栓物質が詰まっている |
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| 通常の血管撮影では2次元の血管画像となるが |
| コーンビームCTを撮影することで3次元の血管画像が作成可能 |
| 3次元画像上で腫瘍の位置を決定することで腫瘍の栄養血管の同定が可能となる |
肝硬変等が原因で起こる門脈厚亢進症の症状の一つに胃や食道の静脈瘤があります。静脈瘤破裂し吐血や下血を起こします。食道静脈瘤に対しては
内視鏡的硬化療法が有効であるが、胃静脈瘤には効果が上がらなかった。そこで胃静脈瘤に対する治療法としてバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO：balloon occluded retrograde transvenous obliteration）
が考え出されました。
通常、胃の静脈は門脈系に流れ込むので経皮的にカテーテルを挿入することは困難であるが、門脈圧亢進によって胃静脈から腎静脈への短絡路(シャント：shunt)が形成されるので
大腿静脈からカテーテル侵入→下大静脈→左腎静脈→胃腎シャント→胃静脈瘤というアプローチが可能である。胃腎シャントを風船で血流を遮断し硬化剤を流して静脈瘤の内部を固めます。
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