受賞

研究医コース医学部生が再び快挙! 日本生理学会に続き、神経科学分野の合同学会でも「若手研究者ポスター賞」を受賞

2022年6月30日から7月3日までの間、沖縄県宜野湾市で開催された「NEURO2022」(第45回日本神経科学大会・第65回日本神経化学会大会・第32回日本神経回路学会大会)にて、医学部4年次 研究医コースの桝谷 直子さんが見事“Junior Investigator Poster Award(若手研究者ポスター賞)”を受賞しました。

桝谷さんは、今年3月に開催された「第99回日本生理学会大会」でも奨励賞を受賞しましたが、さらに今回は神経科学分野の合同学会の場でも研究内容が評価されるなど非常に名誉ある快挙となりました。

受賞インタビュー(医学部4年次 研究医コース 桝谷 直子さん)

ーー日本生理学会に続く今年2度目の受賞、おめでとうございます! まずは、今の感想を聞かせてください。

今でも信じられません。開催地が沖縄だったこともあり、参加する前は正直言って旅行気分だったので(笑)、本当に夢のようです。


ーー参加者の中には有名大学のラボに所属する学生が多く、参加するだけでも大変な挑戦だったそうですが。

そうなんです。学会の初日に他大学の学生の発表内容を見て、その研究レベルの高さに「すごい…。こんなところに自分がいていいんだろうか…」と怖くなるほどでした。前回(日本生理学会)の時はオンラインでのプレゼンだったので、審査員と対面で発表するのは初めてだったこともあり、余計に緊張してしまいました。


ーーそんな中、数百演題の中から15人程度しか選ばれない貴重な賞を手にした気分はいかがですか?

メールで結果が届いた時はあまりにビックリし過ぎて、「絶対に何かの間違いだ」と思いました。それくらい、私にとっては予想外の出来事でしたね。


ーー今回、自身が手がけた研究内容のどういった部分が評価されたと思いますか?

審査内容に関する具体的なフィードバックはないので、自分ではよく分からないのですが、「末梢神経で痛みに関わるチャネルは中枢神経ではどのように働くのか?」、世間的にもまだあまり解明されていない部分にスポットを当てたのが良かったのかもしれませんね。


ーー具体的にはどのような研究成果を発表したんですか?

前回は主に「冷たさ」に関するTRPA1チャネルについての内容だけだったんですが、今回は「辛さ」に関するTRPV1チャネルの内容を加えて、刺激薬でそれぞれの働きを調べました。私の予想では、TRPA1チャネルとTRPV1チャネルは同じ働きをすると思ってましたが、実験の結果、実は真逆の働きをしていると分かったんです。その内容をポスターにまとめてプレゼンテーションしました。


ーーその成果をきちんとまとめられるのがすごいですね。桝谷さんは、兵庫医科大学に入学する前から今回のような研究に興味があったんですか?

そうですね、興味はあったかもしれません。高校生の頃、大阪大学の科学プログラムに個人的に応募して、研究室で一緒に実験をさせてもらっていたので。もちろん、将来は医師として社会の役に立つことをめざしていますが、できれば仕事の傍ら大学院で研究も続けられたらいいな、と考えています。


ーー本当に研究が好きなんですね。最後に、これから兵庫医科大学への入学をめざしている高校生にメッセージをお願いします!

研究に興味がある方、最初は「やってみたい」という興味だけで良いと思います。私もそうでしたが、最初は右も左も分からなくても、やっていくうちに分かるようになって、どんどん研究が楽しくなるので。兵庫医科大学には研究医コースという、心から研究に集中できる環境がありますので、ぜひ私と一緒に何かを追究しましょう。

指導教員コメント(生理学 生体機能部門 准教授 荒田 晶子)

NEURO2022は、日本神経科学学会・日本神経化学会・日本神経回路学会の3学会が、何年かに一度合同大会を開催するもので、通常の学会よりも多くの人々が集まります。当然、参加する学生数も多くなりますので、その中で「若手研究者賞」を受賞するのはかなり難しいことです。この賞は、何となく有名ラボの学生たちが受賞しているイメージがありましたので、うちのラボの学生が受賞するとは思ってもみませんでした。うれしい誤算です。

私も審査員を務めたことがあるので分かるのですが、審査員は3人位で、それぞれが評価する学生に対する質疑応答において「自分で良く理解し、自分の意見を言えているかどうか」という点に注目しています。その質疑応答で立派に対応できたこと、そして、自身の研究の展開について語れたことも大きかったのでしょう。桝谷さんは研究の本質への理解が早く、自分の研究についても先へ先へと考えているので、その部分が評価されたのだと思います。

今回の賞を獲得できたのはとても素晴らしいことですが、決して満足することなく、今後も研究を先に進めて自分の研究の世界を築いてもらえたらと思っています。

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