医学部 - 講座紹介

生理学(生体機能部門)

専門部門(基礎医学系講座)

超高齢社会の本邦で慢性疾患の症例は増加の一途にあります。医学・薬学分野は劇的に進歩していますが依然として生活習慣病・癌は予後不良であり、難治性疾患に苦しむ患者さんは後を絶ちません。現在の医療が抱える課題を適切に把握して将来を見据え、基礎医学を発展させることは医学者の使命です。
生体は恒常性を保つ機構を備えます。これにより外乱下にあっても内部環境を維持し、絶え間ない生命活動が可能になります。一方で様々な病態はこの機構の破綻と密接に関係します。従って医学/生命科学に於いて上記機構の理解は必須であり、本講座ではこれを細胞・臓器・個体に至る多階層で解明することを目標にしています。
各種レポーターを搭載した遺伝子改変動物やgain- and loss-of-functional modelsを用いて、「ミトコンドリア品質管理」「細胞外小胞による臓器連関」「神経内分泌による恒常性維持」等を基軸に下記のプロジェクトを進めています。

(1) 生活習慣病の成因となる、ミトコンドリア品質管理の破綻に関する研究
(2) ガン再発における、細胞外小胞(エクソソーム)による細胞間情報伝達に関する研究
(3) 胎生期~新生期の動物の小脳・橋-延髄-脊髄の機能的神経回路の発達と可塑性に関する研究
(4) 呼吸の神経機構と病態生理に関する研究
(5) 呼吸調節と神経内分泌に関わる恒常性維持機構に関する研究

教育では学部2年生の講義「Homeostasis」、生理学実習、基礎系講座配属を担当しています。また、本講座では学部3年生から研究に参加する研究医コースの学生や大学院生を募集しています。
コロナ渦や欧州情勢の変動を経験した現代に於いて、未知なる困難に対応できる人材が真に必要とされます。如何なる環境下でも問題解決能力を発揮し、即興性に優れ、対外的な協力関係を構築する能力は重要です。
基礎医学に必要な「現場から未解決問題を抽出して課題を設定し、解決した内容を外国語で分かり易く発信する」という作業は容易ではありませんが、この過程こそ次世代の人材にとって最良のトレーニングと考えます。意欲がある若手研究者の参画を期待しています。

講座情報

主任教授
齊藤 寿郎
准教授
荒田 晶子
講師
平田 豊
TEL
0798-45-6387
FAX
0798-48-9643
講座専門サイト
https://www.hyo-med.ac.jp/department/phs1/
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