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米国内科医による特別講義「英語で学ぶ臨床推論」を開催~授業はすべて英語で

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米国・ボストンにあるハーバード大学医学部の内科医であり、元准教授のキャロル・K・ベイツ氏が、本学特別招聘教授として2024年4月の1か月間、診療参加型臨床実習に入る前の医学部4年生を対象としたカリキュラム授業「英語で学ぶ臨床推論」を担当しました。

「英語で学ぶ臨床推論」は、将来医師として働くうえで必要となる“患者さんが訴える症状や症候から疾患を絞り込む”「臨床推論力」を身につけることをめざします。全8コマで構成されており、授業は全て英語で展開されることが特徴の1つです。英語で臨床症例を扱い、ディスカッションも全て英語で行うことで、臨床推論力だけでなく、諸外国の患者さんを診療する際に必要なコミュニケーション能力を学生のうちから習得することができます。本授業はコロナ禍での中断を除き、2013年より毎年実施しています。

Carol K. Bates, MD

Former Associate Professor of Medicine, Harvard Medical School
Former Chair, Group on Women in Medicine and Science, Association of American Medical Colleges

「英語で学ぶ臨床推論」の授業は、学修済みの基礎医学や臓器別臨床医学の知識をもとに、患者さんの症状や症候から鑑別診断をおこない、臨床診断を進めていきます。「英語で学ぶ臨床推論」は、すべてがベイツ氏との英語によるディスカッションで進むため、最初の授業では戸惑う学生も少なくありませんでした。学生全員が「学修が必要な症状や徴候に関する症例」を担当し、「症例プレゼンテーション」を行いました。同時に、ベイツ氏や他の学生との「症例カンファレンス」をすべて英語でおこないました。全8回の授業を通じて、臨床推論力だけでなく英語によるカンファレンスに積極的に発言するようになり、学生の技能だけでなく、積極的に授業に参加するなどの態度にも向上が見られました。

動画(授業の様子)

Photo Gallery(授業風景)

学生のコメント

第4学年次 西嶋 一華さん

「英語で学ぶ臨床推論」は、普段日本語でしか検討しない症例を英語で検討するという初めての授業でした。
これまでの英語の授業は主に先生の話を聞くことが多かったのですが、この授業は生徒が自ら手を挙げて発言する機会が多く、積極的に参加することで学びを深めることができました。
始めは理解できなかった臨床症例も授業を受ける度にだんだん聞き取れるようになり、理解できるようになっていきました。

第4学年次 保岡 里奈さん

この科目は英語のみで行われる参加型の授業で、学生の自主性が評価されます。先生の質問に挙手をして答えるとカードをもらうことができ、その枚数は参加態度として成績に繋がります。また、与えられた臨床症例から病名を特定し、その過程をスライドにまとめて発表するというグループ課題では臨床推論力を向上することができました。