薬学部 - 研究室紹介
医薬品情報学
臨床薬学分野
医薬品情報学研究室は2020年度からスタートした研究室です。現在、スタッフ3名、学生8名が所属しています。
薬剤師を取り巻く環境は日々変化しており、平成27年には厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」が示されました。このビジョンでは、薬剤師業務は従来からの対物業務(ものとしての医薬品を取り扱う業務)から対人業務(患者中心の業務)へとシフトしていくことが求められているほか、国民の病気や健康サポートに貢献する健康サポート機能、高度な薬学的管理ニーズへ対応する高度薬学管理機能、かかりつけ薬剤師・薬局といった機能を通じて、薬剤師が地域包括ケアシステムの一翼を担うことが求められています。
このような社会の変化に伴い、薬剤師に求められる職能は日々拡大しています。ご存知の通り、新型コロナウイルス感染症は社会に大きな影響を及ぼしましたが、感染拡大防止や国民へのワクチン接種に薬剤師は大きく貢献しているものの、このことをご存知の方は、あまりおられないかもしれません。当研究室では、このような新たな薬剤師業務に注目し、その社会的効果や薬剤師の心理的変化に関する研究を進めています。このほかにも、日本全国の様々な薬局や病院と連携して、新たな薬剤師業務のあり方やそれらの業務が社会や多職種に及ぼす影響、今後の薬剤師に求められる資質・能力の獲得に向けた教育手法の開発や教育効果の検証をテーマとしています。
これらの研究には研究室に所属する学生が積極的に携わっており、研究室所属学生の学会発表や論文発表の実績も創出されてきました。また、研究テーマに関して科学研究費を獲得することができました。今後も医薬品情報学研究室の持つノウハウを駆使し、所属学生と共に新たなエビデンスの創出と社会に貢献できる薬剤師の輩出に努めていきたいと考えています。