医学部 - 講座紹介

社会医学予防医学部門

専門部門(基礎医学系講座)

医療が発達した現代においても、病気が発症してしまうと元の健康な状態に戻すことが困難となる場合があります。また、仮に発症したとしても病気を早く見つけてただちに治療することが、患者さんの生活の質(QOL)を守る上で重要です。そのため、予防医学は我々の健康的な生活を保持するために欠かせない学問であると私たちは考えます。そして、病気の原因には様々な社会環境が関与するため、私たちの教室では社会医学の観点から病気に関わる環境要因について講義を行なっており、病気の中でも特に動脈硬化性疾患の予防について研究しています。

今日、心疾患や脳卒中は先進国での主要な死因であるとともに、患者さんのQOLを左右します。これらの病気の基礎病変として動脈硬化は重要です。動脈硬化は年齢とともに進行しますが、その病態には血管側の因子として平滑筋細胞や内皮細胞などが、血液側の因子として血小板などが深く関与します。私たちの教室ではこれらの細胞の活性化経路に対し、我々が生活するうえで接するアルコールや抗酸化物質などの種々の環境要因がどこにどのように作用しているのかについて、実験により研究しています。また、食事、栄養、喫煙、飲酒、運動などの生活習慣はその人をとりまく一種の環境要因として作用します。この好ましくない生活習慣により、高血圧、血中脂質異常、糖尿病などが誘発され、動脈硬化が促進されることが知られているため、これらの病気と生活習慣との関係についても研究を行っています。その際に有用な研究方法は疫学研究ですが、私たちは2012年度より兵庫県丹波篠山市において、動脈硬化性疾患の予防を目的とした疫学研究を実施しています。これらの様々な手法の研究により、血栓症などの動脈硬化のリスクと環境要因との関連について、いくつかの新知見を発表してきました。

さらに、動脈硬化性疾患やそのリスクを早期に発見するための血液や尿中の分子マーカーの開発を行っています。現在これらの実用化に向けてさらに研究を進めています。

講座情報

主任教授
丸茂 幹雄
講師
久保田 芳美
助教
江川 可純
TEL
0798-45-6562
FAX
0798-45-6563
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