医学部 - 講座紹介

解剖学(神経科学部門)

専門部門(基礎医学系講座)

触覚、温度感覚、痛覚などの体性感覚は、どのようなメカニズムを介して認識されるのでしょうか、また本来、生体防御として働くはずの痛み感覚が、疾病などにより病的で慢性的な痛みになぜ遷移して行くのでしょうか。私たちの研究室は、神経系を研究対象として、感覚受容、特に痛みや痒みといった原始的で不快な感覚を受容するメカニズムや根本治療が難しいとされる慢性疼痛のメカニズムについて研究を続けています。具体的には、分子形態学や行動薬理、神経生理学、近年では遺伝子改変技術など、信頼性の高い老練技術から先端技術まで取り入れ、目に見えない痛みの症状を見える形に変換して検討しています。

その結果、筋骨格系に比べ動きが少なく静的なイメージの強い神経系において、遺伝子発現変化に伴う機能変調というダイナミックなイベントが起こり、慢性疼痛を生んでいることが分かってきました。私たちは研究室開講以来、数多くの科学研究費を獲得し、研究成果を国内外の学会や学術論文として世界に発信し、国際的にも高い評価を得るに至っています。

医学教育に関しては、人体の形態や構造を理解する学問、解剖学を担当しています。具体的には筋・骨格と末梢神経の解剖、器官・臓器の組織、消化器系の解剖の講義、人体解剖学実習です。人体の構造は神秘的で美しいとさえ感じますが、学習初期は記憶の連続で、成果が上がりにくく、苦労する学生も多いです。しかしながら、解剖学は医学全般の基礎であり、医学生にとって解剖学の理解・習得は必須です。私たち教室員は、学生の気質や能力に合った、学習意欲を引き出す授業や実習指導を心がけています。

講座情報

主任教授
戴 毅
TEL
0798-45-6416
FAX
0798-45-6417
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