医療科学研究科(大学院)

理念・目標、各専門分野紹介

理念・目標

医学・医療科学の発展ならびに急速な高齢化の進行、個人の価値観の多様性等によって、疾病や障害を有した方が社会で生活していくためのニーズは多様化・複雑化してきており、これらの変化に対応していくことが求められています。その中で、リハビリテーション科学の学問的発展に寄与するとともに、より高度な専門的知識と技術を有するリハビリテーション専門職の育成に寄与することにあります。そのために、以下の4つを目標としています。

  1. 医療科学における科学的根拠ならびに最新の専門的知識を修得し、幅広い医療人としての教養を培います
  2. 専攻する分野において、より高度な専門的知識ならびに技術を修得し、臨床現場で実践するとともに、更なる発展・向上に努めることができる素養を培います
  3. 高度な臨床的推論に基づく臨床実践を展開するとともに、後進の育成に寄与できる指導者としての素養を培います
  4. 専攻する分野における研究課題に取り組み、研究能力を培います

各専門分野(特定領域)紹介

病態運動学分野

運動器障害

運動器疾患を中心とする障害を有した方を対象とした治療的介入の向上に主眼をおく研究領域であり、障害の原因の的確な判断と臨床的推論能力を修得し対象者に適用するとともに、その効果判定をしながら介入内容を変更できる素養を有した人材を育成します。加えて、障害の予防の観点より、健康増進やスポーツ競技者のトレーニング指導等にも係わる人材を育成します。
また、研究を主とする科学研究コースでは、自ら設定したテーマについて、基礎医学や関連領域の知識・技術を用いて研究計画の立案、研究の実施、論文作成を行います。

内部障害

呼吸・循環・代謝機能などの内部障害を有する方を対象とした治療的介入の向上に主眼をおき、病態を的確に捉え、介入の是非の判断やエビデンスに基づいたプランの立案ならびに適切な介入の実施、さらには効果判定ができる素養を有した人材を育成することを目的としています。
また、研究では、呼吸・循環機能に関する運動生理学的手法を用いた基礎的研究から、実際の臨床に即した介入効果に関する研究など、幅広い関連領域からテーマを設定し、研究計画の立案・研究の実施、論文作成などの指導を行います。

神経障害

脳血管障害を代表とする神経系に障害を有する方を対象とした治療的介入の向上に主眼をおく研究領域であり、障害像・生活環境に応じた介入判断ができ、効果判定を行いながら介入内容の変更ができる素養を有した人材を育成することを目標としています。
また、最新の医学的介入を理解し、効果的な介入を展開できる素養を培うとともに新たな介入方法の開発、効果判定の手法等について、基礎的・臨床的テーマを設定し、研究計画の立案、研究の実施、論文作成を行います。

人間活動科学分野

身体・認知活動

日常生活活動・余暇活動・生産活動等のひとの諸活動を、身体機能・認知機能との関連から科学する領域で、障がいに関連する研究のみならず障がい予防や正常機能の探求も含めて、作業・活動の質の向上に直接的あるいは間接的に貢献することを目的としています。
関連する評価・治療および作業・活動の本質等について極める経験を通して、ひとの諸活動に関する知見を自ら発展させる能力の基盤を培います。論文作成を目指す科学研究コースでは知見の発展を、課題研究コースでは既存の知見の臨床的活用の発展を目指します。

精神活動

精神または発達に障害のある方々を対象にして、心身の働きと仕組み、及び活動や社会参加に関する障害と健康的側面の評価について幅広く学び、治療法や生活支援に寄与する精神活動のリハビリテーション技術を修得する研究領域です。
精神または発達に障害のある方々の健康と生活支援に寄与する精神活動領域のリハビリテーションの実践的研究だけでなく、対象者を包括的に理解して合理的かつ効果的な介入と指導ができる臨床実践家の育成も目指します。