医学部医学科
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兵庫医科大学医学会

整形外科学

講座(部署)紹介

  1. 膝関節障害に対する鏡視下手術、靱帯再建術
  2. 手、肘関節外科における骨折、靭帯損傷の治療
  3. 関節外科におけるコンピューター支援手術
  4. 骨、軟骨、半月板、靭帯、神経の再生医療
  5. 成人脊柱変形
  6. 慢性関節リウマチ、関節の変性性疾患に対する人工関節置換術(膝・股・肩関節)
  7. 骨軟部腫瘍に対する患肢温存術
  8. 破壊性病変の脊柱再建術
  9. MISt(Minimally Invasive Spine Stabilization)手術
  10. 光学マーカーを用いた三次元運動動作解析
  11. 変形性膝関節症に対する膝周囲骨切り術

研究の現状

概要
関節外科における生体力学的研究、運動器における再生医療の応用、関節炎の発症機序の解明における免疫学、分子生物学、遺伝学、腫瘍における画像診断学、臨床腫瘍学や、脊髄・神経における分子生物学、遺伝学、電気生理学などの研究を行っている。


主題
  1. 人工股関節置換術(THA)におけるimage free navigationとCT based navigationの応用:
    THAにおける正確なimplantの設置は術後の長期成績の向上や合併症の軽減に非常に重要な要因であるが正確なimplant の設置は術者の経験と技量に左右される。当院では2006年からimage free navigationを用いてTHAを行い良好な精度と臨床成績を残してきた。2018年からさらにCT based navigationを加えて術式及び成績の向上とimage free navigationとの精度の比較を行っている。
  2. Combined anteversionとGroin painの関係:
    THAにおいて術後の脱臼の回避や長期成績の向上を目指す上でimplantの設置角度の目標としてcombined anteversion の考え方が一般的である。しかし術後の設置combined anteversionが正確である症例の中にcupと臼蓋の接触面の不適合のため前方impingemenに伴うgroin painが生じる症例が少なからず存在する。術後のCT画像からcombined anteversionの良好な症例でのcup辺縁の突出とgroin pain出現を評価解析する。
  3. 画像による関節動作解析:
    現在、膝関節の動的な動きのなかでの不安定性は評価できていない。この問題に対して、膝の動きを2次元動画像として画像化できるX線透視装置と、膝の3次元形状を画像化できるMultidetector-row CT 装置を組み合わせた、動的な状態下での膝関節の安定性評価システムを構築し、臨床応用を始めている。
  4. 前十字靱帯再建手術の最適化:
    前十字靱帯の断裂をきたすと、スポーツ選手においては、手術が必要となる事が多く、この靱帯の再建術は、スポーツ選手において最もよく行われる手術の一つ(年間1万件以上と推定)である。自分の腱を関節内に移植して固定する手術が行われるが、その手術の成績向上のための、CT3次元画像の解析や治癒促進の研究を行っており、その結果に基づいた手術法の改善を試みている。
  5. センサーを用いた関節動作解析:
    膝関節の3次元動作解析法には、上述の画像を用いたもののほかに、センサーを用いる方法がある。我々は兵庫県立大学工学部との共同研究により小型の複合慣性センサーを用いた解析法についての研究を行ってきている。このセンサーの使用により、拘束のない条件での関節における3次元的動作の解析が可能となる。現在本システムの確立と臨床応用についての研究を継続中である。
  6. 鏡視下による低侵襲の骨腫瘍切除:
    骨内に限局する良性腫瘍には、腫瘍と同じサイズの骨孔を開けて直視下に腫瘍切除を行うのが一般的である。しかし、大きな骨開窓を作ることで、骨強度の低下が問題となる。我々は、直径5 mmの骨孔を2つ作成して内視鏡を挿入し骨内を観察しながら、もう一つの骨孔から腫瘍切除している。利点は、骨孔が小さいために手術によって骨強度の低下が少なく、患者の早期社会復帰が可能となる。当科では、骨内に限局する骨腫瘍に対して、本術式の確立を行っている。
  7. 骨肉腫に対する免疫療法:
    骨肉腫は青年期に好発する悪性度の高い腫瘍で、肺転移が最大の予後不良因子である。我々は、この肺転移の抑制がIL-18による免疫治療を提唱している。具体的には、IL-18が骨肉腫細胞の遊走を抑制することで、血管内から外への移動を止めるという機序を解明した。現在、IL-18の免疫治療の精度を高めるために、新生血管抑制因子の併用も追加して、臨床応用に向けた研究を行っている。
    内軟骨腫の鏡視像 内視鏡と鉗子を挿入(2 portal technique)
    腫瘍切除の鏡視像 アルゴンプラズマ熱凝固の鏡視像
  8. ラット脊髄損傷モデルによる疼痛発現メカニズムの解析:
    臨床の場において神経障害性疼痛を訴える患者は多数いるが、神経障害性疼痛に関して痛みの発生や伝達経路などまだまだ分かっていない事が多い。当科ではラット脊髄損傷モデルを用いて、損傷後の脊髄・DRGでの細胞内情報伝達経路の活性化を明らかにし、痛みのメカニズムを解明するための基礎研究を行っている。
  9. 関節外科における再生医療の応用:
    靭帯損傷、関節軟骨損傷などに対する関節外科における再生医療の応用について、大阪大学・武庫川女子大学と共同研究を行っている。関節軟骨損傷に対する培養骨髄間葉系細胞の使用に関しては、倫理委員会の承認を受け、多施設臨床研究が始まっている。
  10. 赤外線反射マーカー、赤外線カメラ、床反力計を用いた三次元動作解析システム(兵庫医療大学に設置)を用いて、運動動作の解析を行っている。現在のテーマは、着地・ジャンプ動作の解析による膝靱帯損傷リスクの評価と、損傷防止のためのトレーニング法の開発を、兵庫医療大学 リハビリテーション学部との共同で行っている。
  11. 超音波を用いた皮質骨骨質評価における臨床有用性の検討:
    骨質:微細構造、骨代謝回転、微小骨折、石灰化、コラーゲン架橋等が指標として挙げられ、骨質マーカー、また微細構造をin vivoで見る唯一の装置としてHR-pQCT による研究が近年行われているが確立した測定法はない。そこで当科では骨質劣化において非侵襲で測定できる超音波に注目した。現在コホート研究にて開発装置を用い超音波を用いた皮質骨質評価と骨密度、骨代謝マーカーとの比較を行っている。
  12. サルコペニア、フレイルにおける腰痛、脊椎アライメントの関連性についての解析:
    サルコペニアは筋肉の量的,質的低下によって機能障害をきたす病態であり、フレイルは心身の活力の低下により生活機能が障害される病態である。地域在住高齢者にはサルコペニア、フレイルが潜在している可能性があり腰痛、脊椎アライメントとの関連が近年注目されている。当科ではコホート研究にて地域在住高齢者におけるサルコペニア、フレイルと腰痛、脊椎アライメントの関連について調査している。
  13. 変形性膝関節症に対する膝周囲骨切り術は脛骨近位での矯正(高位脛骨骨切り術)だけでなく、遠位大腿骨骨切り術、double level osteotomy、脛骨顆外反骨切り術などを積極的に取り入れている。
  14. 投球動作解析:
    たつの市にある信原病院との提携によって、身体の36か所に反射球マーカーを貼付し、投球動作解析を行う事で、どういった点が未熟で怪我をしやすいか、どういった点に気を付けて投げれば投球障害予防になるかといった研究を行っている。


自己評価・点検及び将来の展望
整形外科では関節、腫瘍、脊椎、上肢の4つのグループが独自性を持ち、診療・臨床研究に従事している。基礎研究の場としては、基礎系教室や兵庫医療大学、兵庫県立大学など他大学、関連企業とのコラボレーションがすすみ、定着しつつある。しかし、その質・量ともにさらなる努力が必要である。また、英文論文の実績も挙がっているが、未だ不十分である。これに伴い、科学研究費補助金などの外部研究費の確保が必要となっており、確保の実績も挙がりつつあるが、今後さらなる努力が必要と考える。現在、社会的にも、スポーツ医学や高齢者の骨・関節障害などへの注目が高まる中、整形領域の診療・研究規模はさらに拡大することが予想される。我々もこの機会を追い風として、臨床にfeedbackできる研究を飛躍させたいと考えている。

吉矢 晋一 主任教授
吉矢 晋一 主任教授
責任者| 吉矢 晋一(主任教授)
専門分野:関節外科、スポーツ医学
教授| 麩谷 博之
准教授| 福西 成男
講師| 橘 俊哉
圓尾 圭史
TEL| 0798-45-6452
FAX| 0798-45-6453

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