医学部医学科
siryoseikyu2019.jpg
ir_info2.jpg
図書館
兵庫医科大学医学会

眼科学/アイセンター

講座(部署)紹介

 当科では眼科専用手術室を有するアイセンターを併設しており、網膜硝子体・黄斑疾患と神経眼科を軸に、角膜、緑内障などの専門領域も併せて、豊富な診療実績を誇っている。いずれの専門領域においても、個々の患者に即した治療を心がけている。
 高齢化社会に伴い増加している加齢黄斑変性や網膜血管疾患に対する抗VEGF療法や光線力学療法などの治療を数多く行い、黄斑上膜や黄斑円孔、増殖糖尿病網膜症などへの網膜硝子体手術も多く施行している。また当科の伝統である神経眼科・斜視弱視治療にも積極的に取り組んでいる。最新の角膜パーツ移植である角膜内皮移植や難治性緑内障に対するインプラント手術も施行している。臨床経験から得られた知見をもとに、新規の診断・治療法の確立のための研究や、多施設研究などを行っている。
 基礎研究では、視神経再生、網膜神経節細胞への遺伝子導入など神経眼科をメインに、その他網膜血管新生と酸化ストレス、眼表面の免疫とサイトカインなどの先端的な実験を行っている。

研究の現状

概要
神経細胞死、再生を中心とした基礎研究に加えて、網脈絡膜疾患の各種病態における最先端光干渉断層計を用いた画像評価や、多彩な網脈絡膜疾患の特徴を多施設の症例から評価する大規模共同臨床研究、難治性視神経疾患に対する薬物治療、甲状腺眼症や眼球運動異常に対する各種治療、化学療法や眼瞼痙攣の涙液に対する影響、緑内障と眼瞼との関連など多数の臨床研究を行っている。


基礎研究主題
メラトニンレセプター制御による緑内障性視神経障害に対する視神経保護に関する基礎実験:
緑内障は、眼圧下降により視神経障害を抑制させることができるが、十分な眼圧下降でも視野障害が抑制できない症例をしばしば経験する。近年中枢神経領域でメラトニンレセプターを介した神経保護効果 、さらに内因性神経再生の報告もあり、メラトニンレセプターが着目されている。現在我々は、緑内障モデル動物を用いて、メラトニンレセプター制御による緑内障性視神経障害に対する神経保護効果の可能性について検討している。


臨床研究主題
  1. 甲状腺眼症に伴う麻痺性斜視治療法の確立:
    甲状腺眼症に伴う麻痺性斜視に関して、副腎皮質ステロイド薬のパルス療法とわが国で最大の症例数の外眼筋手術を行い、従来考慮されることのなかった上下直筋の水平移動術が最も効果的であることを証明し、現在その定量法を作成中である。また、厚生省の悪性眼球突出研究治療班の「甲状腺眼症診療ガイドライン」作成委員会のメンバーとなり、現在ガイドライン作成中である。
  2. 眼球運動障害と眼振患者に対する新規手術治療法の開発:
    麻痺性内斜視や固定内斜視に対する手術の術後の戻りの定量評価を行い眼筋移動術の長期効果を判定する。さらに動眼神経麻痺による外下斜視に対して内外直筋前後転術に全幅上方移動術を併せて行う新しい術式の評価を行う。また垂直注視麻痺の患者に対して、その注視麻痺の方向とは逆の両眼の拮抗筋を後転させることにより、患者の異常頭位と注視麻痺の改善がみられるかを検証する。
  3. 眼瞼痙攣患者における涙液異常とボツリヌス治療効果の検討:
    眼瞼痙攣患者には涙液異常が認められることが多く、ドライアイと診断され、眼瞼痙攣の診断が遅れることも多い。大学倫理委員会の承認を受け、眼瞼痙攣に伴う涙液異常とボツリヌス治療による涙液の変化についての解析を行っている。また、涙液異常と自覚症状の関連性についても研究を行っており、京都府立医科大学病院眼科ドライアイ外来と共同研究を行い、データを集積中である。
  4. 網脈絡膜疾患における各種画像検査の評価:
    原田病において、subclinical に再燃する際に視力低下といった機能障害が起こる前に、脈絡膜厚が厚くなることは知られているが、その現象が比較的簡便に判明する方法として眼底写真が有用であることを見出した。これらの知見は、 Ikeda N et al. Detection of asymptomatic choroiditis by fundus examination in Vokt-Koyanagi-Harada disease. Ocular Immunology and Inflammation (2016) に掲載予定である。その他OCT angiographyやen face OCTを用いた各種治療効果の評価や、視機能と網脈絡膜構造変化との関連を検討中である。
  5. 抗腫瘍薬TS-1®による眼障害に関する多施設共同前向き研究:
    TS-1Ⓡはわが国のみならず、多くの国で使用されている抗腫瘍薬である。TS-1®投与患者においては、結膜炎、マイボーム腺炎、ドライアイ、角膜炎、涙道閉塞などの眼副作用が明らかになってきたが、危険因子、発症メカニズムの解明と治療法の確立が必要である。そのため日本角膜学会と日本涙道・涙液学会で多施設共同前向き研究にて多数例での検討を行うこととなった。当院倫理委員会に承認され、当科も参加してデータを集積中である。
  6. 多施設後ろ向き臨床研究; 臨床網膜研究会(J-CREST):
    昨今、単一の施設での臨床研究は疾患の数やデータ解析の信頼性という点からも施行することが困難な情勢になりつつある。そのような中、鹿児島大学を中心として様々な疾患の患者情報を匿名連結した上で共有し、検討を行う臨床網膜研究会が立ち上げられ本学眼科も参加の運びとなった。現在眼底疾患を主とした数件の多施設臨床研究が進行中である。


自己評価・点検及び将来の展望
基礎研究、臨床研究とも更なる充実を目指す。基礎研究については、基礎医学教室とこれまで通り連携をとりながら、眼科臨床との関連も見据えて進めていきたい。臨床研究については、これまで神経眼科領域での臨床研究が主であったが、今後は眼科全領域において、オリジナリティーをより高めた臨床研究を計画的に進めていく方針である。

 

五味文
五味 文 主任教授
責任者| 五味 文(主任教授)
准教授| 木村 亜紀子
講師| 石川 裕人、木村 直樹、細谷 友雅
TEL| 0798-45-6462
FAX| 0798-45-6464

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.