医学部医学科
siryoseikyu2021.jpg
図書館
兵庫医科大学医学会

医療情報学

講座(部署)紹介

当学科目は医療情報学に関する教育研究を担当している。
医療分野では近年になって急速にICT化が進展しており、医療情報の取扱いや医療情報システムのあり方、関連する法制度は日々変化、進化している。当学科目では臨床疫学、医療統計学と共同の医療における情報とデータサイエンスに関する授業科目において、医療情報の基本的な考え方、関連する情報通信技術、適切な管理、関連法制度の最新動向についての教育を担当している。
また、当学科目は本学情報センターと連携して病院も含む本学全体の情報通信環境の整備・運用に参画している。本学における実際の情報通信基盤、学術情報システム、電子カルテ等の病院情報システムの整備・運用を通じた実践的な教育研究を進めている。

研究の現状

概要

本学科目の責任者は情報センターの業務の一環として本学の情報通信基盤と病院における医療情報システムの整備運用を統括しており、研究テーマについても主に本学における情報通信環境整備と情報通信技術による業務課題解決に関連したテーマを扱う。未だ大きく発展、進化を続ける情報通信技術は良くも悪くも社会に大きな影響を及ぼしている。医療情報分野では特に機微性の高い個人情報を扱う機会が多く、医療情報の利活用と個人情報保護等の情報セキュリティの両立は重要な研究テーマである。

主題

  1. 病院情報システムの整備、運用に関する研究
    電子カルテ等の病院情報システムは大規模病院には今や必要不可欠なシステムとなっている。一方で、病院情報システムの長期に渡る安定した運用、情報通信技術の進歩や医療を取り巻く社会情勢の変化、法制度の改正などの状況に適切に対応するためには、継続的なシステムの整備が不可欠である。病院情報システムの整備、運用において、事業継続性やコスト面での臨床現場や病院経営への影響を抑制しつつ、適切かつ効率的に整備、運用を実施するための方法論の確立を目指す。
  2. 医科大学と大学病院における情報通信基盤の整備、運用に関する研究
    附属病院を擁する医科大学においては、学術研究のための開かれた情報通信ネットワークと診療支援のための閉じた情報通信ネットワークを共存させる必要がある。教育研究や臨床業務への利便性を確保しつつ安全な医療情報管理を実現するための高いセキュリティを兼ね備えた情報通信システムの設計構築と運用管理の方法論の確立を目指す。
  3. 病院情報システムに蓄積された情報の二次利用に関する研究
    電子カルテ等の病院情報システムに蓄積される診療情報は、同時に病院の経営、運営状況の記録の集積とも考えることができる。病院情報システムに蓄積された様々な情報から、病院の経営状況や医療安全等の医療の質を的確に評価するための分析手法や評価指標、および、病院情報システムの情報を安全かつ柔軟に二次利用するための情報システム基盤の構築・運用についての方法論の確立を目指す。
  4. 院内教育のためのe-learningシステムに関する研究
    近年、医療の質の維持、向上のため、医療職者の教育研修はより一層の充実が求められている。しかし、医療職者は総じて多忙であり、教育研修のための時間を確保するのは難しい。医療職者が勤務の合間に各自のペースで効率よく学習を進められるe-learningシステムの研究開発を進めている。
  5. 医療におけるスマートデバイスの利活用に関する研究
    スマートフォン、タブレット等のスマートデバイスは社会のコミュニケーションの様相を根本的に変容させつつある。近年では、スマートグラスやスマートウォッチ等の装着型スマートデバイスも商品として普及しつつあり、情報端末のユーザインタフェースは大きなパラダイムシフトを迎えつつある。医療業務におけるスマートデバイスの利活用や新たなコミュニケーションシステムについて研究を進めている。
  6. 地域医療連携システムに関する研究
    政府の方針として地域包括ケアシステム構築が推進されている現状において、地域の医療機関の連携が重要性を増している。医療機関の連携において診療情報の共有と円滑なコミュニケーションの支援は必要不可欠である。地域医療連携システムの構築と運用についての方法論の確立を目指す。
  7. 在宅医療におけるケア情報共有に関する研究
    地域包括システムの推進に伴い、在宅医療の重要性も増している。例えば訪問看護では診療情報以外にも居住環境に関わる留意事項など看護師間で共有すべき個別性の高いケア情報が多い。一方で、訪問看護師は多忙であり、情報共有は手書きメモや口頭での申し送りで済まされているのが現状である。スマートデバイス等の広く普及した情報通信技術の活用による、在宅医療における簡便、低コストかつ効率的なケア情報共有の実現を目指す。
  8. 遠隔医療におけるコミュニケーションに関する研究
    遠隔医療は古くから研究が行われているが、情報通信技術の発展と情報通信基盤の拡充により近年になって急速に実用化が進んでいる。遠隔医療ではあらゆる情報伝達に必ず情報通信システムが介在するため、対面診療と比較してコミュニケーション上の制限が多く、診療プロセスにも少なからず影響していると考えられる。遠隔医療における、情報通信システムを介在するコミュニケーションについての分析を通して、情報通信技術の特徴を活かした効率的、効果的な遠隔医療のあり方を探る。

自己評価・点検及び将来の展望

教育においては医学におけるデータサイエンスの一端としての診療情報の重要性と適切な管理・利活用に関する教育へと移行しており、医学・医療における医療情報の位置づけが大きく変わりつつある。
2019年度からは関西広域医療データ人材教育拠点形成事業(KUEP-DHI)に参画し、関西の他大学とも連携して医療データ人材の育成に務める。 また、本学情報センターと準備を進めてきた病院情報システムの更新事業について、2019年度には電子カルテシステムといくつかの部門システムの更新を実施した。2020年度は多くの部門システムの更新を実施する。更に、兵庫医科大学病院の将来構想の一環として、次期病院情報システムの構想にも着手している。
今後も実際の医療情報システムの整備・運用を通じて得られる知見を学術研究に昇華し、医学教育を通じて情報通信技術を活用した医学医療の進化に貢献していきたいと考える。

責任者| 堀 謙太(准教授)
専門分野::医療情報学、情報システム学
TEL| 0798-45-6735
FAX| 0798-45-6734

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.