感染制御学/感染制御部
講座(部署)紹介
多職種(医師、看護師、薬剤師)が専従で活動しており、検査技師も専任で従事し、チーム医療を実践している。仕事の内容は、多剤耐性菌対策、抗菌治療、医療環境整備、職業感染対策(針刺し, ワクチン)、接触者検診(インフルエンザ, ノロウイルス, 結核, 流行性角結膜炎など)、感染経路別予防策の徹底を行っているが、本院の特徴としては、抗菌薬適正使用の推進(antimicrobial stewardship)であり、コンサルトを中心に、毎日抗菌薬ラウンドを行い、毎年1000例以上の感染症患者の治療を主治医と一緒に行っている。病院全体の抗菌薬使用状況もAUD (antibiotic use density)で評価し、ほぼ年間目標通りの使用比率を継続している。
研究の現状
概要
耐性菌の疫学、耐性菌による院内感染予防対策、抗菌薬のPK/PDに基づいた投与法、深在性真菌症の診断と治療に関する研究を行っている。
耐性菌の疫学、耐性菌による院内感染予防対策、抗菌薬のPK/PDに基づいた投与法、深在性真菌症の診断と治療に関する研究を行っている。
主題
- 耐性菌対策としての抗菌薬使用ストラテジー:
全病院的に抗菌薬使用状況をモニタリングし各種治療抗菌薬の使用量を平均化する Periodic antibiotic monitoring and supervisionを行い、グラム陰性菌などの耐性菌の動向調査を行っている。現在のところ耐性緑膿菌や多剤耐性グラム陰性菌感染は有意の減少を示している。 - PCRによるMRSA保菌迅速検査:
MRSA院内感染対策として、高リスク病棟に限定し、PCRによる鼻腔内MRSA保菌の迅速検査を行い、陽性者には接触予防策、除菌、術後感染予防抗菌薬の変更などの対策を計画している。それによるMRSA術後感染予防効果について検討する。 - PK/PDに基づいた抗MRSA薬の適正使用:
Teicoplaninにおける高用量loadingや目標ピーク値を設定したarbekacin投与など、副作用を抑え、臨床効果をあげる投与法の検討を行っている。 - 腎障害、血液透析患者における抗菌薬の適正使用:
近年透析膜の改良によりβラクタム薬、バンコマシンの投与計画が変わりつつある。とくに日本で高頻度に行われている持続血液濾過統制(CHDF)においてはその検討は少ない。各種regimenを作成しTDM (therapeutic drug monitoring)を実施しながら、その適正使用の研究を行っている。 - 深在性真菌症の診断と治療:
カンジダ属の分離菌種の変化、新たな抗真菌薬の導入などにより、その治療ストラテジーも変えていく必要があり、その研究を行っている。
自己評価・点検及び将来の展望
実地臨床の疑問や実際の診断・治療を中心に研究を行っており、今後も臨床各科と連携をとりながら研究を継続していくつもりである。ただし、基礎的研究が少ないことが一つの限界で、研究室などを確保、整備しさらなる研究の発展に努力したい。
実地臨床の疑問や実際の診断・治療を中心に研究を行っており、今後も臨床各科と連携をとりながら研究を継続していくつもりである。ただし、基礎的研究が少ないことが一つの限界で、研究室などを確保、整備しさらなる研究の発展に努力したい。

竹末 芳生 主任教授
責任者| | 竹末 芳生(主任教授) 専門分野:感染、侵襲学 |
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講師| | 中嶋 一彦 |
TEL| | 0798-45-6878 |
FAX| | 0798-45-6873 |