歯科口腔外科学
講座(部署)紹介
歯科口腔外科学講座は、口腔・顎・顔面領域の炎症、外傷、先天異常、嚢胞、腫瘍、顎関節、唾液腺疾患などに対する診断と治療を行うとともに、当院でがんなどの治療を受けられる患者の周術期口腔管理を担っている。当講座の主たる研究テーマは、顎口腔領域に発生する疾患の診断と治療に関する基礎的ならびに臨床的研究であり、病理組織学・免疫組織化学・分子生物学的手法を駆使して研究を進めている。また、周術期口腔機能管理がもたらす治療成績の向上や合併症の軽減、ビスホスホネート関連顎骨壊死に関する疫学調査など臨床での治療や診断・予後に貢献できるような臨床研究を開始した。
最近の研究課題は
- ビスホスホネート関連顎骨壊死に関する基礎的および臨床的研究と疫学調査
- オーラルマネジメントによる口腔細菌の定量的・定性的変化と治療効果・有害事象発生の関連
- 口腔癌の発生および治療抵抗性因子の解析
- 骨微小環境内における破骨細胞分化に関する研究
- 歯原性腫瘍の発生に関与する遺伝子群の解析
研究の現状
概要
当教室の研究の主体は、顎口腔領域に発生する疾患の診断と治療に関する基礎的ならびに臨床的研究であり、細胞培養,動物実験モデルを用いて細胞生物学的、分子生物学的解析を行っている。
当教室の研究の主体は、顎口腔領域に発生する疾患の診断と治療に関する基礎的ならびに臨床的研究であり、細胞培養,動物実験モデルを用いて細胞生物学的、分子生物学的解析を行っている。
主題
- ビスホスホネート関連顎骨壊死に関する研究:
近年歯科口腔外科領域で問題になっている薬剤関連病変で、いまだ発生機序が明らかではないため、糖尿病ラットを用いた本疾患の動物モデルの作成を試み、モデルの作成に成功した。このモデルを用いて骨病変発生予防および治療法について検討中である。また、本疾患についての疫学的臨床統計を行い、疾病予防と治療効果の予測に役立てていきたい。 - 口腔癌および唾液腺癌の発生に関する解析:
腫瘍組織より細胞培養株を作成し遺伝子解析を行うことで、発癌や転移に関わる遺伝子、治療に対する効果判定、予後判定を行う指標としている。 - 口腔癌の抗癌剤耐性機構の解析:
口腔扁平上皮癌および唾液腺癌におけるがん化学療法耐性について、耐性因子の解析を行っている。 - 歯原性腫瘍発生に関与する遺伝子群の解析:
Gorlin症候群患者の血液や組織から抽出したDNAの遺伝子解析により、責任遺伝子であるPTCH1の変異を解析した。さらに角化嚢胞性歯原性腫瘍細胞の細胞株の作成に成功し、病態モデルの作製に成功した。現在はエナメル上皮腫など歯原性腫瘍に研究を広げ、本学遺伝学教室との共同研究であり、原因究明に貢献することが期待される。 - 骨微小環境内における破骨細分化に関する研究
破骨細胞は、造血系幹細胞である単球・マクロファージ系の破骨前駆細胞からRANKLの刺激で分化する。破骨前駆細胞が骨微小環境内で分化する過程における様々なサイトカインなどの因子を検討している。
自己評価・点検及び将来の展望
大学院の4年間で学位取得できるよう密に指導者と一緒に研究を進め、おおむね目標を達成している。それと並行して科研費を含む獲得型研究費の取得も順調である。研究発表や論文発表もコンスタントに行っているが、今後は本学遺伝学教室との共同研究をさらに推進し、また、積極的に多施設共同臨床研究にも参加して、業績につなげていきたいと考えている。従来は基礎研究を中心に行ってきたが、疾病の治療につながるような臨床研究や統計をスタートさせた。臨床教室の研究は、臨床において遭遇する事象を的確に捉え、そのメカニズムを基礎的に解析し、治療に還元できるものでなければならないということを常に念頭に置きつつ研究を進めている。
大学院の4年間で学位取得できるよう密に指導者と一緒に研究を進め、おおむね目標を達成している。それと並行して科研費を含む獲得型研究費の取得も順調である。研究発表や論文発表もコンスタントに行っているが、今後は本学遺伝学教室との共同研究をさらに推進し、また、積極的に多施設共同臨床研究にも参加して、業績につなげていきたいと考えている。従来は基礎研究を中心に行ってきたが、疾病の治療につながるような臨床研究や統計をスタートさせた。臨床教室の研究は、臨床において遭遇する事象を的確に捉え、そのメカニズムを基礎的に解析し、治療に還元できるものでなければならないということを常に念頭に置きつつ研究を進めている。

岸本 裕充 主任教授
責任者| | 岸本 裕充(主任教授) 専門分野:口腔外科、インプラント、顎変形症、 周術期の口腔管理 |
---|---|
准教授| | 野口 一馬、高岡 一樹 |
TEL| | 0798-45-6677 |
FAX| | 0798-45-6679 |