悪性中皮腫と癌幹細胞

「悪性中皮腫癌幹細胞の制御機構と新しい治療法の開発」

by Author NameMay 23, 2022

悪性中皮腫は標準治療に抵抗性を示す難治癌で、新しい治療法の開発が強く望まれています。また悪性中皮腫の発症にはアスベスト暴露が誘発する慢性炎症が誘発する様々な癌抑制遺伝子の変異やシグナル伝達系の異常が関与します。「がん幹細胞」は癌組織を構成する幹細胞で、治療抵抗性や転移・浸潤に深く関わる特殊ながん細胞です。私たちは、これまでの研究を通じて、ヒト悪性中皮腫細胞中の幹細胞様細胞を特定し、その維持と生体内での腫瘍形成にCD44とALK4を介するシグナルが重要な役割を演じていることを見出しました(大野ら、Oncogene 2018)。

本研究では、悪性中皮腫における癌幹細胞の特性とその維持機構を解明し、癌幹細胞を標的とした新しい悪性中皮腫の治療法の開発を目指しています。