学校法人 兵庫医科大学
~チームで取り組む肥満症手術~ 兵庫県初! 2月から保険診療に
兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市、病院長・難波 光義) は、上部消化管外科や糖尿病・内分泌代謝科、精神科の医師、および看護師、管理栄養士など複数の部署・職種が連携して、チームで肥満症手術(減量手術)に取り組んでいます。
本年2月1日より、兵庫県では初めて、保険診療としてこの手術を受けていただけるようになりました。
ポイント
・兵庫県下で「肥満症手術(腹腔鏡下(ふくくうきょうか)スリーブ状胃切除術)」を実施している施設はわずか
・保険診療として実施できる施設としては、兵庫県、初
・高度肥満症の手術には、外科医による高度な手技が必要
・外科医、内科医、精神科医、看護師、管理栄養士がチームとなって治療にあたる体制が重要
・手術は減量のきっかけであり、術後も内科的治療を継続して行う必要がある
肥満症手術は、正式名を「腹腔鏡下(ふくくうきょうか)スリーブ状胃切除術」といい、胃の約80%を切除して物理的に胃を小さくするものです。BMIの値が35以上、かつ糖尿病、高血圧症、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上を合併し、6ヵ月以上の内科的治療が無効な、高度肥満症の患者さんを対象に、手術適応があるか検査・検討を行い、手術を実施しています。
当院では2017年にこの手術を開始し、2018年10月には、手術を受けることを目標とした専門外来 「減量手術外来」を開設しました。
なお、肥満症は手術だけで治るものではなく、日頃の食生活改善が重要であるため、手術前・手術後ともに、精神科医、管理栄養士や看護師などが一丸となってチームで治療にあたります。
注目を集める肥満症の外科治療
日本人の肥満者の割合は年々増加傾向にあり、糖尿病学会の発表によるとBMIが25以上の人口は2,400万人、BMIが35以上の高度肥満者は約60万人と言われています。
2018年10月に神戸市で開催された第39回日本肥満学会では、肥満症の撲滅をめざして、関連する23学会が領域を超えて協働するという「神戸宣言2018」が発表されました。一つの領域だけではなく、各専門領域が協力して肥満症の治療にあたることが必要なのです。
また、肥満はさまざまな健康障害を引き起こしますが、なかでも糖尿病の合併率は40%以上と高く、大きな社会問題となっています。高度肥満を伴う糖尿病は、内服薬やインスリン注射では改善しにくいことから、近年「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」による外科的治療が注目されています。
肥満症手術担当チームより
「内科疾患を手術で治す」というこの分野に大きな注目が集まっています。今後ますます増加する需要に安全にお応えできるよう、チーム一丸となって取り組みます。また、治療の主体である患者さんにしっかり寄り添い、満足いただける結果をめざします。
上部消化管外科
講師 倉橋 康典
肥満症の外科手術によって、肥満起因・関連健康障害(糖尿病、高血圧など)の改善が期待できます。治療よるメリットは大きいですが、周術期合併症などのデメリットもあるため、手術適応があるかを十分に検討し、治療を行わせていただきます。
糖尿病・内分泌・代謝内科
助教 松尾 俊宏
この手術では、術前からの食事管理が手術の効果に大きく影響します。手術の効果を得る為には、患者さんの強い意志と努力も非常に重要なポイントです。私たち管理栄養士は、術前、術後の栄養指導を担当し、食事面から支援を行います。
臨床栄養部
管理栄養士 堀江 翔
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