卒業生インタビュー

卒業生インタビュー

School of Medicine

 田坂 茉莉子さん
専門性を深めることはもちろん
幅広い視野を持って
患者さんと向き合いたい

兵庫医科⼤学病院 勤務
医学部 医学科 2020年3⽉卒業

医師 田坂 茉莉子さん

印象に残っている出来事
第1学年次の人体解剖実習や第3学年次から始まった臨床医学など、医学を修める過程で印象的なステップがいくつもありましたが、もっとも印象に残っているのは初期臨床研修の頃です。多職種連携が確立された兵庫医科大学病院でチームの一員になれたという感動。そして患者さんを担当し症例から学びを得ていく実感はいまでも覚えています。また以前担当した糖尿病の患者さんも印象的でした。ご本人もご家族も病識が不足していたため、こまめに説明したり、不安を抱えている時は話を聴いたり。真摯に対応した姿勢を汲んでくださったのか感謝の言葉をいただき、嬉しく思うと同時に患者さんと向き合うことの重要性を学ぶことができました。
将来のビジョン
患者さんはそれぞれ職業も生活背景も異なります。一人ひとりの事情や想いに寄り添うため、医学に限らずさまざまな分野に興味を持ち、視野を広げることが大切だと感じています。後期臨床研修中の現在は、腎・透析内科で腎疾患の治療や透析の管理をしています。女性はライフステージごとに就業を制限せざるを得ない場面もありますが、今後は腎臓と透析、両分野の専門医の資格を取得し、専門性を高めながら患者さんに関わり続けたいと考えています。

IPW(多職種連携協働)
における医師の役割

患者さんに関する問題点の洗い出しや今後の方針について、多職種合同でカンファレンスを行い、チームとして同じ目標を共有し診療に取り組んでいます。病棟や透析室で患者さんの近くにいるのは看護師ですし、理学療法士、作業療法士は長い時間をかけてリハビリを提供しています。医師が気づかなかった変化を捉えて報告をくださることも多く、多職種連携の大切さを痛感しています。

卒業生インタビュー

School of Pharmacy

藤原 正規さん
患者さんの困りごとを拾い上げ
エビデンスを示して
医療の発展に貢献する

地方独立行政法人 神戸市民病院機構
神戸市立医療センター中央市民病院 勤務
薬学部 医療薬学科 2021年3⽉卒業

薬剤師藤原 正規さん

どのような仕事をしていますか?
臨床薬剤業務と多職種連携を実践できる薬剤師の育成を目的とした、薬剤師レジデント制度を利用しています。
⼤学での学びがどのように⽣かされていますか?
2年間で調剤、病棟、外来化学療法などの業務をローテーションしますが、どの業務でも感じたのは、大学の授業、課題、試験を通じて身についたことがそのまま生かされているということ。学生時代の積み重ねの大切さを実感しています。その一方で薬の添付文書には記載のない副作用を訴える患者さんがおられるなど、現場にいるからこその疑問も抱くようになりました。
将来のビジョン
現在は兵庫医科大学大学院生として副作用が起こりやすい人の傾向を研究しており、臨床にも生かしたいと考えています。

病院における
薬剤師の役割

調剤業務のほか、治療を通じて患者さんと密接に関わることができるのが病院薬剤師の特徴。薬剤師としての職能を高めるだけでなく、患者さんや他職種とのコミュニケーション能力も求められます。

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School of Nursing

久米 雄朗さん
患者さんの心を
照らす存在として関わり
意思に基づき、
望む暮らしと最期を支援

訪問看護ステーション あゆーす 勤務
看護学部 看護学科 2015年3⽉卒業

看護師久米 雄朗さん

心がけていること
患者さんにとって自宅はあくまで生活の場所です。看護のための訪問とはいえ、病気や体のことばかり話していては入院時と同じ気分になって安らげないはず。そのため世間話や暮らしの話も織り交ぜながら、患者さんの生活を尊重した看護を提供するよう心がけています。
将来のビジョン
在宅で患者さんが望む最期を迎えるためには意思の確認が重要ですが、認知症などで意思決定が難しい場合もあります。そういった方に対する最適な意思決定支援の方法を研究するため、兵庫医科大学大学院への進学を決めました。多くの訪問看護の現場で活用され、患者さんにとってより良い看護につながる研究成果を出せればと思っています。

訪問看護における
看護師の役割

自宅での最期を希望される患者さんやご家族の意思を尊重し、穏やかに最期の看取りを迎えられるようにサポートも行います。そのためには今後起こりうる症状を早期発見するためホームヘルパーと情報共有するなど、他職種との連携も欠かせません。

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School of Rehabilitation

金広 千咲さん
患者さんの人生にまで触れ
その人らしい
生き方をサポートする

パナソニック健康保険組合
松下記念病院 勤務
リハビリテーション学部 理学療法学科 2021年3⽉卒業

理学療法士金広 千咲さん

どのような仕事をしていますか?
循環器疾患で入院された患者さんを中心に、ICUやHCU、地域包括ケア病棟まで幅広く担当しています。
やりがいを感じる瞬間
循環器疾患は入退院を繰り返す傾向があり、生活習慣の改善と積極的に体を動かす心臓リハビリテーションが再発予防に有効です。リハビリは家に帰ってからの生活まで想定したプランが必要になり、そのためには患者さんの人生、家庭状況などまで考慮しなければなりません。そこまで人と深く関われるのが、この仕事の魅力の一つです。またリハビリをとおして患者さん個人に合わせた運動内容・強度を指導し、超急性期(ICUなど)から回復期・維持期(退院後など)までリスク管理をしながら身体機能の向上が見られると、リハビリの成果が実感でき嬉しく思います。

病院における
理学療法⼠の役割

リハビリテーション室だけでなく病室でも動きを増やして身体機能の向上につなげられるよう、看護師との情報共有は密に行っています。循環器疾患は生活習慣と関わりが深いため医師、栄養士、薬剤師などと幅広く連携し、再発予防のための指導をしています。

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School of Rehabilitation

小寺 千明さん
患者さんの大切にしている
作業を引き出し
退院後の生活を彩りのあるものに

兵庫県立西宮病院 勤務
リハビリテーション学部 作業療法学科 2016年3⽉卒業

作業療法⼠小寺 千明さん

どのような仕事をしていますか?
作業療法士は“患者さんの生活を知り、共に生活を再構築する”という視点が重要です。例えば後遺症が残存し、うまく手指が動かせないけれど出かける際にワイシャツを着たい、という患者さんを担当した時には、ボタンを留める練習をする一方、着やすいシャツを調査し情報提供しました。まず、患者さんが生活のなかで大切にしていることを引き出し、生活のイメージを共有しながら実現のために手段を尽くすことが私たちの仕事です。
将来のビジョン
現在は少しでも不安を軽減させ、より良い日常生活を送っていただけるよう多角的に患者さんを支援できる方法を兵庫医科大学大学院で研究しています。退院後の生活を一緒に考えることのできる作業療法士をめざしています。

病院における
作業療法⼠の役割

所属するICUの早期離床チームではリハビリが必要な患者さんがいたら、医師や看護師と相談して早期介入を心がけています。また、ICUの看護師が実施できるリハビリ方法の勉強会を開催したり、一般病棟ではADLの進捗状況や介助方法を積極的に伝達し連携しています。