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グルテンフリー食とメンタルヘルスに関する研究

関連疾患・研究領域 精神医学、免疫学、統合失調症
所属部署名
兵庫医科大学
精神科神経科学
研究代表者 松永 寿人
研究実施者
(研究内容照会先)
山田 恒
検索キーワード 統合失調症、グルテン、グルテンフリー食

研究概要

精神障害と栄養との関連性は以前より知られている。中でも近年、グルテン感受性と、統合失調症、うつ病や双極性障害等の気分障害、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動性障害等の発達障害の発症機序との関連が示唆されている。グルテンとは、小麦などから生成されるタンパク質であり、うどんやパンなどの小麦加工品を作る上で重要な役割を果たしている。グルテンへの過剰な感受性は、腹痛、下痢、頭痛、頭がぼんやりする、倦怠感、抑うつ、不安等の様々な身体症状や精神症状を引き起こすことがある。今回我々は、統合失調症とグルテン感受性の関連に着目した。

統合失調症は人口の約1%に発生する精神疾患であるが、その原因は未だ解明されていない。約3割の患者は治療抵抗性を生じ、幻覚や妄想などの症状が持続し、日常生活や社会生活に著しい障害が継続する。欧米では、統合失調症患者の中にグルテン感受性を持つ者の割合が、健常対照群に比べて有意に高いことが報告されているが、それらの患者の特徴や臨床経過は明らかになっていない。また、グルテン感受性を持つ統合失調症患者の精神症状に対する、グルテンフリー食の効果を示した報告も数少ない。

本研究では、これらを明らかにするために、日本の統合失調症患者におけるグルテン感受性を、グルテン感受性に関する自己抗体を測定して評価し、その臨床的背景との関連性を検証している。更に、グルテン感受性を持つ統合失調症患者にグルテンフリー食を提供し、その治療効果を評価する。

科学的アピールポイント(独創性・進歩性・新規性等)

日本での統合失調症のグルテン感受性を調べる初めての研究である。更に、グルテン感受性を持つ統合失調症患者と臨床的背景との関連や、グルテンフリー食の精神症状に対する効果を検証する初めての試みである。統合失調症の新たなサブタイプの同定を試みるとともに、その病理・病態の発生機序について、従来とは異なる観点から知見を加えることかが期待される。また従来の薬物を中心とした定型的な治療とは異なる、新たな治療アプローチの可能性を検証するものである。

研究成果の活用・実用化(提案)

グルテン感受性を持つ統合失調症患者の精神症状に対する、グルテンフリー食による治療効果が確立されれば、従来とは全く異なる新規治療法が明らかになる可能性がある。グルテンフリー食は、小麦関連食品を使用せずに、米飯、魚、肉や野菜といった和食で使われる食品が中心であり、安全性が確立されており、臨床応用も容易なものである。また、ハイリスク群に対する栄養指導など、統合失調症の発症予防の点からも、極めて有益なものとなる。

また、グルテン感受性を調べるための抗体の測定が簡便化されれば、より効率的にグルテン感受性を持つ統合失調症患者を早期に発見することができ、グルテンフリー食という介入により、長期にわたる患者の苦痛を早期に軽減し、更に医療費も抑制することにつながると考える。

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