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白内障の手術において、改変した眼内レンズ強膜内固定法が、より低侵襲であることを証明(眼科学 講師 石川 裕人)

国際科学雑誌「Acta Ophthalmol」誌(17 November, 2019)に、眼科学 石川 裕人講師らの論文が掲載されました。

脱臼水晶体・眼内レンズに対する特殊な白内障の手術において、石川らが考案した改変した眼内レンズ強膜内固定法が、従来のものより低侵襲であることを証明した研究です。詳細は、下記をご覧ください。


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石川 裕人講師

論題

Flanged intraocular lens fixation via 27-gauge trocars using a double-needle technique decreases surgical wounds without losing its therapeutic effect.

論文著者名

石川 裕人、福山 尚、小椋 有貴、荒木 敬士、五味 文 (すべて兵庫医科大学 眼科学)

概要

通常のIOL強膜内固定法(double needle technique)と硝子体手術ポートを介したIOL強膜内固定法の手術効果・合併症等を後向きに比較検討した。手術効果は通常の強膜内固定法と硝子体手術ポートを介した改変IOL強膜内固定法に差はなかった。改変IOL強膜内固定法では、術創が6カ所中2か所減少した(33.3%減)。今回我々が考案した硝子体手術ポートを介した改変IOL強膜内固定法は、従来の方法と比較して、その手術効果はそのままに結膜を温存するという低侵襲化を実現した。

研究の背景

眼内レンズ(IOL)強膜内固定法は世界で広く使われている術式の一つで、水晶体嚢を支えるチン小体脆弱例における通常の白内障手術施行が困難な症例や、すでに挿入したIOLが眼内に落下している症例で、IOLを強膜に固定する手術である。この水晶体・IOLが脱臼する状態になりやすいのは偽落屑症候群という緑内障であることは分かっている。すなわち、この強膜内固定法を施行される眼においては、将来的に緑内障手術が必要になるかもしれない。緑内障手術をする上で、結膜が正常であることは非常に重要な手術成功の因子である。よって、本研究においては、従来のIOL強膜内固定法を改変し、出来る限り結膜を温存することを念頭においた、低侵襲なIOL強膜内固定法を開発することを目的とした。

研究手法と成果

対象は兵庫医科大学眼科において、脱臼水晶体・IOL、無水晶体眼を呈し、IOL強膜内固定法を行った54例60眼。診療録から後向きにデータを抽出し、術前後の視力変化、惹起乱視、合併症の有無などを検討した。術者は単独で石川が全例行っており、2017年10月以前は従来のIOL強膜内固定(術創6カ所)、以降は改変IOL強膜内固定(術創4カ所)を行っており、この2群間での検討を行った。  視力に関連する因子や、合併症に2群間に差はなく、改変IOL強膜内固定法は術創が少なくなりより低侵襲な手術ということが言えた。

研究費等の出処

論文の英語校正、出版費用は兵庫医科大学の医局研究費を使用した

今後の課題

本研究は後向きであり、術者毎の手術習熟度の問題がある。また、今後角膜切開で脱臼水晶体・IOLの処理や新規IOLの挿入を行えば更に結膜温存することが可能となる。

掲載誌

「Acta Ophthalmol」 doi: 10.1111/aos.14313.(17 November 2019)

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