受賞
令和7年度「臨床リウマチ」優秀論文賞を受賞(看護学部 教授 神﨑 初美)
本学の看護学部 教授 神﨑 初美が2025年11月29日・30日に行われた第40回日本臨床リウマチ学会にて優秀論文賞を受賞しました。
授与団体
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
受賞論文
関節リウマチ患者の心理的適応尺度の開発
研究の概要
本研究では、まずRA(関節リウマチ)患者の心理的な適応を測定するための候補項目を集める目的で、論文データベースを用いた系統的な文献検索を行い、94項目を抽出した。その後、抽出した項目について内容の妥当性を確認するため、RA患者5名に意見を聞き、62項目に整理したものを原案とした。全国5つの病院(北陸1、関西3、九州1)において、RA患者を対象にwebまたは紙による調査を実施した。回答者は209名で、平均年齢は63.5歳、RAの罹患期間は平均15.5年であった。収集したデータを統計的に分析した結果、項目は「リウマチの症状コントロールへの自信」「リウマチである自己に対する肯定感」「リウマチ患者間のピアサポート(*1)」「統制感」「利他主義」の5因子に分類された。最終的に25項目からなる尺度が作成され、統計モデルの適合性を確認したところ、CFI(*2)=0.923、RMSEA(*3)=0.059と良好な値が示された。これらの結果から、本研究で作成した尺度は、信頼性および妥当性を備えた測定ツールであると判断された。
ピアサポート(*1):同じ立場のもの同士が互いに支えあうこと。
CFI(*2):統計モデルがデータにどれだけよく適合しているかを0~1で評価する適合度指数。1に近いほど良いとされる。
RMSEA(*3):モデルの複雑さを考慮に入れた上で、モデルと実際のずれを評価する指標。値が0に近いほど良いとされる。