受賞

日本ケアマネジメント学会 研究大会で優秀賞を受賞(認知症疾患医療センター 木村 亜紀子)

認知症疾患医療センターのソーシャルワーカー 木村 亜紀子が、日本ケアマネジメント学会 第24回研究大会において大会発表優秀賞を受賞しました。

授与団体

日本ケアマネジメント学会

受賞演題

MCI(軽度認知障害)と診断された人の診断後の心理状態とその変容過程

本研究のポイント

・MCIと診断された人の心理状態と変容過程を明らかにした。
・この研究結果をもとに、認知症疾患医療センターでMCIと診断された人への進行予防行動に向けた診断後支援のあり方を見直すことにより、鑑別診断を「意味ある受診」とすることができる。

研究の概要・背景

認知症は早期受診が重要とされつつも、実際に症状に気づいてから受診するまでには約1年半の空白期間があり、また診断後も介護等のサービスにつながるまでには、1年以上を要し、2度の空白期間があるとされている。MCIと診断された人は、早期受診できたものの、日常生活に大きな支障がないがゆえ、進行予防に向けた行動につながらず、認知症に進行した状態での再受診も少なくない。抗アミロイドβ抗体治療薬などの医療介入ができるようになり、より早期受診は広がると予想されるが、その後の支援については手探りの状態である。早期受診が早期絶望にならないためにも、診断後支援のあり方を検討する必要がある。本研究は、MCIと診断された人がどのような心理状態を経て、進行予防行動につながるかを明らかにするために、診断後支援を行っている認知症疾患医療センターの相談員を対象としたインタビュー調査を行った。

研究手法と成果

認知症疾患医療センターの相談員を対象とした、インタビュー調査(半構造化面接)を実施し、定性的コーディングを用いて、インタビューデータをカテゴリー化した。また変容過程については、可視化を行った。結果、MCIと診断された人の診断後の心理的状態は、3つのコアカテゴリーに分類でき、【結果への反応】、【結果の受け止め】を経て、【診断後の変容】へ展開することが推測された。