受賞

国際会議STROKE UPDATE 2023でOral Presentation Award を受賞(脳神経外科学 准教授 白川 学)

脳神経外科学 准教授 白川 学が、昨年11月に韓国 釜山で開催された国際会議STROKE UPDATE 2023および第11回日韓合同脳卒中会議(韓国脳卒中学会)の口頭発表においてOral Presentation Awardを受賞しました。

授与団体名

The International coference STROKE UPDATE 2023 and the 11th Japan-Korea Joint Stroke Conference: Korean Stroke Society

賞名

Oral Presentation Award

受賞論題

The efficacy and safety of stent-assisted coil embolization with semi-jailing technique in patients with unruptured intracranial aneurysm

受賞者名

脳神経外科学 白川 学 准教授

本研究のポイント

・未破裂脳動脈瘤にステントを併用する際の日本で一般的な方法であるJailing テクニックの欠点を補うsemi-jailing テクニックについて、その有用性を検証した。
・2013年から2023年までに行った症例をもとに検証した結果、1年後の完全閉塞率および直後と1年後に十分な閉塞を行えた割合においてsemi-jailing テクニックが有意に良好であった。

研究の概要

未破裂脳動脈瘤に対するステントを併用することで治療適応が拡大している。ステントを併用する際、先にステントを全て展開した後にマイクロカテーテルを挿入する方法と、先にマイクロカテーテルを挿入した後にステントを展開する方法(Jailing テクニック)があり、我が国では後者が一般的である。しかし、Jailing テクニックにも、コイル挿入中にマイクロカテーテルを自在に動かすことや、再挿入が困難であるといった欠点がある。その欠点を補う方法として、先にマイクロカテーテルを挿入し、ステントを部分展開した状態でコイル挿入を行う方法(semi-jailing テクニック)がある。しかし、semi-jailing テクニックが有用であるかどうかを検証した論文は少ないため、自験例を用いて本方法の有用性を検証した。

研究手法と成果

当院で2013年から2023年までに行ったステントを併用したコイル塞栓術327例を後ろ向きに検討した。semi-jailingテクニック群143例と従来のテクニック群62例とに分類し、1年後の完全閉塞率(プライマリーアウトカム)と、直後と1年後の十分な塞栓を行えた割合、転帰良好の割合(セカンダリーアウトカム)を両群間で比較検討した。結果、プライマリーアウトカムはsemi-jailingテクニック群で77.6%、従来のテクニック群で59.7%。調整オッズ比 2.32と有意差を持って、semi-jailingテクニック群で高い完全閉塞率であった。直後と1年後の十分な塞栓を行えた割合も88.8% vs. 72.8%、調整オッズ比2.91とsemi-jailingテクニック群で有意に良好であった。転帰良好の割合は両群で有意差を認めなかった。

今後の課題

本研究は後ろ向き観察研究であり、手術法選択にバイアスがかかっているLimitationがあるため、前向きの登録研究で検証を行う。