受賞
第17回日本緩和医療薬学会年会 一般演題口頭発表 優秀発表賞を受賞(薬学部 臨床薬学分野 助教 宮本 朋佳)
2024年5月24日~26日に開催された第17回日本緩和医療薬学会年会の一般演題 口頭発表において、薬学部 臨床薬学分野 助教 宮本 朋佳が優秀発表賞を受賞しました。
受賞した研究の詳細は下記をご覧ください。
授与団体名
日本緩和医療薬学会
受賞演題
オピオイド使用患者におけるせん妄の発症リスクに便秘や下剤の併用が与える影響
論文著者名
薬学部 臨床薬学分野 宮本 朋佳 助教
研究の概要とその背景
緩和ケアを必要とする患者において、せん妄の発症は治療の中断やケアの負担増加につながるため、適切な予防と対策をとることが求められている。腸管神経と中枢神経は密接に関連しており、せん妄に対しても消化管機能が影響を与える可能性を考えた。そこで、オピオイド誘発性せん妄に対しても、便秘が影響を与えるのではないかと仮説を立て、関連を明らかにするために調査を行った。
研究手法と成果
日本の医薬品副作用データベース(JADER)を用いて、オピオイド医薬品投与患者におけるせん妄の発症に対する、下剤投与の影響を解析することに加え、兵庫医科大学病院の臨床データより、オピオイド投与患者における便秘とせん妄の発症率について後ろ向きコホート研究を行った。
今後の課題
JADERを用いた解析により、 オピオイド投与患者における下剤の併用は、せん妄の潜在的なリスク因子であることが示唆された。一方で、兵庫医大病院のデータ解析の結果、便秘傾向の患者は、オピオイド誘発性せん妄の発症リスクが高いことが判明し、さらに下剤の併用により、せん妄のリスクを低下させる可能性が示唆された。オピオイド使用患者に対しての排便コントロールへの介入は、オピオイド誘発性せん妄の抑制につながる可能性が示唆された。
研究費等の出処
なし
