受賞

第118回日本精神神経学会学術総会で優秀発表賞を受賞(精神科神経科学 博士研究員 本山美久仁)

2022年6月18日、精神科神経科学の博士研究員 本山美久仁が「第118回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞」を受賞しました。

受賞した研究の詳細は下記をご覧ください。

受賞した本山美久仁 博士研究員

授与団体名

日本精神神経学会

受賞演題

グルテン専門外来受診者における免疫学的グルテン感受性と精神・身体症状

概要

兵庫医科大学病院精神科神経科では2019年よりグルテン専門外来を立ち上げ、グルテン不耐症やグルテン感受性の診療や研究を行ってきた。本研究では、グルテン専門外来を受診したグルテン不耐症患者の臨床背景等の調査を行った。

研究手法と成果

【研究手法】
2019年〜2021年に兵庫医科大学病院グルテン専門外来を受診した20歳〜70歳のグルテン不耐症患者と、同年代の健常対照群を対象とした。血液からグルテン関連抗体を測定し、身体症状、精神症状、QOLなどを評価し、背景因子の比較を行った。

【成果】
グルテン不耐症群では、消化器症状、易疲労感、睡眠関連問題を有する割合が高く、身体症状だけではなく、うつや不安の症状を有する割合も高かった。また、グルテン関連抗体である抗グリアジンIgG抗体陽性者は陰性者に比べ、自覚症状を有する者が多く、過敏性腸症候群の診断基準を満たす者や、腹部症状に関するQOLの低い者が多かったことから、やはり消化器に影響を及ぼしていると考えられた。

今後の課題

グルテン不耐症の正確な診断基準を確立するためには、抗グリアジンIgG抗体だけでなく他の客観的な指標も必要であり、複数のバイオマーカーを組み合わせて使用することが望ましいと考えられる。また、引き続き、グルテン専門外来での診療を進め、症例数を増やして解析を進めると同時に、抗グリアジンIgG抗体陽性のグルテン不耐症に対するグルテンフリー食の治療有効性についても調査を行いたい。