受賞

研究医コース医学部生が「日本解剖学会総会・全国学術集会」で優秀賞を受賞

2021年3月28日(日)~30日(火)にかけてオンラインで開催された「第126回日本解剖学会総会・全国学術集会 / 第98回日本生理学会大会 合同大会」にて、本学 医学部5年次の大西義之さんが「学生セッション」でプレゼン発表をし、優秀賞を受賞しました。

■受賞演題
深部振動覚と上腕深部の感覚受容器の関係

■授与団体
⼀般社団法⼈ ⽇本解剖学会

大西さんは研究医コースの解剖学 細胞生物部門に所属し、これまで地道に研究活動を続けてきました。今回、指導教員である解剖学 細胞生物部門 八木秀司 主任教授の薦めで学会に挑戦。大西さんに、受賞の喜びや研究の楽しさについて語ってもらいました。

受賞した大西さんにQuestion!

Q 学会でどのような発表を行いましたか?
研究テーマである「上腕動脈周囲のパチニ小体の分布と機能」について発表しました。
パチニ小体は、振動を感知する機械受容器の1つで、多くは皮膚に存在するものですが、上腕動脈の周囲にも存在することが分かってきています。そこで、今回は上腕動脈周囲のパチニ小体が具体的にどこに分布し、どのような振動を感知しているのかを調べ、発表しました。

Q 発表までにどのような準備をしましたか?
パチニ小体の分布を調べるにあたって、解剖体から上腕動脈周囲の組織を取り、それを薄く切って切片にし、さらに染色したものを観察して分布を調べるという作業を繰り返しました。「とにかくたくさんの切片を取る」という作業が一番大変でした。
また、研究期間中に緊急事態宣言が発令されたことで実験室に行けない時期もあり、研究活動にも支障が出ました。しかし、登校禁止期間にも過去の論文を読むなど、自宅でできる学習を続け、およそ1年かけて学会に臨みました。

Q 学会に出席して感じたことや受賞の感想を教えてください。
どの先生方にも発表を非常によく聞いてもらい、内容の深い質問をしてもらいました。優秀賞をいただき、自分がコツコツやってきたことが評価され、率直にうれしいです。八木先生をはじめとした、お世話になった先生方も一緒に喜んでくれました。また、ほかの学生の発表も同世代とは思えないくらいレベルが高く、刺激的でした。自分の専攻は解剖学ですが、生理学との合同大会だったので、生理学の観点から意見が聞けたことも新鮮でした。
今回の学会はオンライン形式での実施でしたが、実際に会場で行う学会にはまだ参加したことがないので、その雰囲気もまたいつか味わってみたいなと思います。

Q 研究医コースの魅力や今後の目標を教えてください。
もともと入学したときから研究というものに興味があったのですが、研究医コースの説明会で勉学面と研究面、どちらのサポートも充実していると聞き、専攻を決めました。勉学と研究の両立は難しいですが、研究医コースはサポートが手厚く、研究に落ち着いて取り組む環境があるのが最大の魅力だと思っています。

研究医コースに関わらず、学生のうちに研究にしっかりと取り組む経験をすることで、研究の楽しさを知ることができると思います。そこで得た経験は、どんな道に進んでも生きてくると思うので、後輩たちにもぜひ研究や学会にチャレンジしてほしいです。 私自身は、この経験を通じて得た「リサーチマインド」を大切にし、医学の発展に少しでも貢献できるような医師になりたいと思っています。

指導教員からのコメント

解剖学 細胞生物部門
主任教授 八木 秀司

大西義之君は、熱心に研究に取り組み、過去の解剖学者が積み上げてきた事実の上に新たな知見を加えてくれました。今回の学会では自ら意欲的に準備し、よくまとまった発表をしていました。それらが評価されたことと思います。
この経験を糧に、将来、臨床のみならず、研究面からも医療に貢献してもらいたいと思います。