柴田 直人さん(第2学年次)

中国・汕頭大学留学を終えて

この度2018年12月1日から12月8日までの8日間、汕頭大学への留学に参加させていただきました。私自身、留学どころか海外旅行でさえ経験したことがありませんでしたので、海外を学ぶことのできる良い機会なので、今回の留学は是が非でも参加したいと思っていました。

今回は中国の病院を何ヶ所か訪問させていただきました。その中で最も印象に残ったことは病院の中にいる患者さんの数です。中国は人口世界第1位ということもあり、当然患者さんの数は多いだろうと予想はしていました。しかし、ひとつの病院が何棟もあるだけでなく、15階近くの異なる病院がお互い隣接して建っているという、日本では考えられないような光景を目にしました。それほど病棟の数が多く、その中でも病室の数が足りず廊下で患者さんが横になっているという状況を目にして、これほどまでに病院に患者さんがあふれかえっているのかと驚きました。日本では入院希望や入院の延長希望、救急往来を断られるという話を耳にしたことがありますが、中国ではたとえ十分な入院生活をおくることは保証されていないが、決して見捨てることはしていないという姿勢に私は胸を打たれました。しかし、その入院生活の点で患者さんがどのように思っているかを聞くことができず、今になって悔いが残りました。

また、汕頭を拠点にしたホテルから車で約1時間かかる貧困地域で医療ボランティアに参加させていただきました。現地では汕頭大学医学部の2年生の皆さんとフローニンゲン大学のオランダ人留学生2名と私たち8名で交流しながら参加させていただきました。現地の方とは同じ汕頭大学の学生でさえ方言があまりにもきつく、内容がわからないことが多いそうで、学生と現地の方もお互い四苦八苦していました。それでも現地の方は大勢いらっしゃったので、とても信頼されているボランティア活動であることは一目瞭然でした。それもこれも李嘉誠基金によって、貧困地域の方に無料で行われていると思うと李嘉誠さんの偉大さが理解できました。

今回は汕頭大学の教育棟も見学させていただきました。教育棟にはアジアで最も大きいといわれる図書館があり、そこは自習室付きで一般人でも立ち入りが可能であるそうです。もちろん分野は医学のみに限らず、多様な分野の本がずらりと並んでいました。また教育棟の上の階には実習で役に立ちそうな部屋が多数ありました。例えば分娩室や手術室などの部屋や、人形を使って心音や呼吸数を測る部屋もありました。これらの部屋は学生が自主的に使用できるという点で中国の学生の医療に対する熱心な姿勢に感化されました。

医療実習に限らず、中国も観光ということで汕頭の繁華街や潮州の歴史のある建物を見学させていただきました。汕頭は中国政府が定めた深圳、珠海、廈門、海南省と同様の経済特区ということで、栄えていることは理解していました。しかしいざ現地に訪れると、古びたマンションやお店が多数並んでいました。というのも、汕頭という地域は広大で、発達した巨大な建物がある地域があればいつ崩壊してもおかしくないのではないかと思うような、古びてまだ発達しきっていない建物もありました。以前から経済特区に指定されていた都市でさえ、発達するならば中国はまだまだこれからも発達し続けると印象付けられました。それに対して潮州は、汕頭と同じ広東省に属する(ちなみに汕頭市の北に潮州市、西と南には掲陽市がある。)歴史のある都市だそうです。その分町並みは湖に一本の橋や威風のある門があり風流を感じました。ただ汕頭よりも内陸にあるからなのか、発達が遅れている点は否めませんでした。国外からの観光客はあまり見受けられず、国内からの観光客の方が多かったです。

個人的な話になりますが、今回の留学で英語がいかに重要であるかを痛感しました。汕頭大学の学生もフローニンゲン大学の学生も英語を流ちょうに話せていたのに対し、自分は話せても片言のみで伝わらないことも多かったです。とにかく忙しい時でも隙間を縫って勉強する必要がありました。

最後に、中国や日本でお世話になった先生、国際交流センターの鳥井さんに感謝申し上げます。この経験を糧に今後も精進していきたいです。ありがとうございました。