薬学部 - 研究室紹介

放射化学

衛生薬学分野

医薬品開発では放射性同位元素(RI)の標識化合物を用いた薬物動態試験が行われ、薬剤の組織移行性や排泄経路が評価されます。また核医学分野において放射性医薬品は病気の原因となるタンパク質への親和性を利用した診断に用いられます。このように放射化学は、放射線及び放射能の物理化学的性質を理解する学問です。一方、放射性物質は被ばく防止の観点から放射線管理区域での取り扱いが必要で、厳密な放射線管理が求められます。
当研究室では、放射線の総合的な理解と安全な取り扱うことを促す放射線教材に関する研究を行っています。特に同位体比率の高い天然核種に着目し、管理区域外にて利用可能な市販試薬等を放射線源として用いた放射線教育プログラムの開発を行っています。また多剤併用に伴う代謝阻害を介した薬物相互作用について、薬物代謝の寄与率から血中濃度の経時的変化を予測するプログラミングによる薬物相互作用シミュレーターを構築しました。本シミュレーターを用いて調剤薬局との連携による地域住民に対する薬剤適正使用に関する啓蒙活動を行っています。当研究室では、これらの研究成果を積極的に学術集会のみならず国内外の学術誌に発表することを目標としています。

 主な研究内容は、以下の通りです。
1. 試薬等に含まれる天然核種を用いた放射線計測を交えた放射線教育の実施
2. 空気中に存在する天然核種の放射線教材化に向けた研究
3. 能動的学修が可能なカードゲーム形式による放射線教材の開発
4. Excel-VBAによる薬物相互作用シミュレーターの開発と薬剤適正使用に関する研究

研究室情報

教授
藤野 秀樹
助教
栄井 修平