薬学部 - 研究室紹介

物理化学

物理系薬学分野

物理化学とは、物質の構造や性質、物質の反応を扱う基礎分野です。原子も分子もイオンも、様々な物理現象が働いています。当然、“薬”も色んな物理現象の結果、効果を発揮しています。薬の性質を正しく理解するためにも、化学結合や相互作用、熱力学、平衡、電気化学、光化学、反応速度といった物質の物理的性質を学んでもらいます。

当研究室では、特に「光触媒とナノ材料による機能性物質の創製」というテーマで研究を行っています。光触媒というのは、光を当てることで、その光のエネルギーを利用して様々な反応を引き起こす材料です。日常生活でも様々なところで使用されており、建物の外壁で汚れを分解したり、窓や鏡をきれいに保ったり、医療現場でも有害物質の分解や除菌・抗菌にと使用されています。さらに、“ナノ”という10−9 mの非常に小さな材料では、光の波長よりも小さなサイズとなることで変わった性質を発現することから、私達の研究室では、この小さい材料に光触媒や発光、吸着などの様々な物理性質を組み合わせた新たな材料を作製し、その物性の評価を行っています。
具体的には、以下のような研究内容に取り組んでいます。

① 有害物質を吸着・分解して無害化するための多孔質被覆光触媒の開発
② キラル共吸着剤と光触媒を用いた光学活性な光化学反応の研究
③ 発光や光触媒の性質を持つ希土類ナノ材料の開発

これらのような、様々な機能を持たせた新しい材料の開発を行い、いずれ病気の予防・診断・治療、および、医療環境の改善に役立つことを夢見て日夜研究に励んでいます。

研究室情報

教授
甲谷 繁
助教
川島 祥