薬学部 - 研究室紹介
微生物学
衛生薬学分野
微生物学分野では、細菌、ウイルス、原虫などの微生物の中でも、特に⾎液媒介性感染症および新興再興感染症を起こす病原微⽣物の性状や感染機構を明らかにする研究を行っています。アジアの新興人獣共通感染症として注目されている赤血球内寄生原虫症であるヒトバベシア症のわが国第一症例を本分野の斎藤あつ子前教授が中心となって診断し、感染経路を明らかにしたことをきっかけに、バベシア属原虫を研究対象の1つとしています。バベシア属原虫はマダニ媒介性で、現在100種以上が知られ、そのうちの限られた種が人獣共通感染症を起こします。輸血後感染が大きな公衆衛生学的な問題となっており、本感染症の新規検査法や診断法の開発をめざしています。また、病原微生物の薬剤感受性機構あるいは耐性獲得機構の解析や病原微⽣物の遺伝⼦多様性が感染性や病原性、薬剤感受性に及ぼす影響に関する研究を展開しています。これらの研究を薬学部4年次〜6年次の当分野配属学生とともに、微⽣物学的、分⼦⽣物学的、免疫学的⼿法を駆使しながら⾏っています。
学部学生への講義では、2年次 感染症学入門、感染症学I、感染症学II、3年次 感染症治療学、感染制御学、4年次 新・衛生薬学実習を主に担当しています。2年次で微生物学の基礎を学び、3年次でその応用、4年次で2、3年次に学んだことを実習や演習を通して、再確認する構成とし、感染症の治療や予防に対する正確な知識を有し、その時々の状況を的確に判断し、自ら行動を起こせる薬剤師の育成に寄与したいと思っています。
研究室情報
- 教授
- 長野 基子
- 助教
- 大森 志保