学部・大学院

臨床実習(4年次11月~5年次3月)

実習概要

第4学年次に実施する共用試験(CBT, OSCE)に合格した学生が、第4学年次11月から第5学年次3月まで、Student Doctor(臨床実習生)として兵庫医科大学病院の各診療科で実習を行います。

内科と外科のコア診療科では、診療参加型実習(クリニカル・クラークシップ)が導入されているため、学生は実際に診療チームの一員となって患者さんの診療に従事し、臨床医に必要な態度、技能、知識を修得します。実習内容は、回診やカンファレンスへの参加、手術や外来診察・検査の見学などですが、そのなかで、患者さんの同意を得て、指導医の監督の下、採血などの医行為を行い、医学生としての一定の責任を負います。

また、臨床実習を終えた後には、クリニカルクラークシップで実際に担当した患者さんの症例について各自発表するプレゼンテーション試験があり、実習の成果として教員に報告します。

この後、臨床実習は第5学年次末~第6学年次前半の学外臨床実習、自由選択実習へと発展します。

実習先診療科(平成27年度実績)

クリニカルクラークシップ(クリクラ)

内科
以下のうち4科を4週間ずつ
呼吸器内科、リウマチ・膠原病内科、神経内科、[消化管内科、炎症性腸疾患内科]、肝・胆・膵内科、糖尿病・内分泌・代謝内科、[循環器内科、冠疾患内科]、血液内科、腎・透析内科、総合内科
外科
いずれかを2週、残りを1週ずつの計4週間
肝・胆・膵外科、上部消化管外科、下部消化管外科、炎症性腸疾患外科

ポリクリニック(ポリクリ)

救命救急センター、精神科神経科、泌尿器科、皮膚科、放射線科、整形外科、眼科、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、病院病理部、ささやま医療センター、心臓血管外科、呼吸器外科、小児科、産科婦人科、形成外科、輸血・細胞治療科、臨床検査部、感染制御部、臨床遺伝部、歯科口腔外科、ペインクリニック部、麻酔科・疼痛制御科、ICU、リハビリテーション部、公衆衛生学、小児外科、乳腺・内分泌外科

実習1日スケジュール(一例)

午前

09:00~ モーニング・ミーティング

外来にて指導医師の診察を見学

10:40~ 外来実習

外来にて指導医師の診察を見学

12:00~ 昼休憩

午後

14:00~ 検討会

各症例について担当医から報告があり、チームで検討

15:00~ 総回診

16:00~ 病棟実習

実習終了

電子カルテトレーニングセンターにて、カルテ記載、レポート作成、自習

実習レポート 第5学年次(※) 舟津 えり子さん

※取材時の学年

Q 臨床実習で何を学びましたか?

実際の医療現場に赴くと、座学だけでは得難いような経験ができますし、また教科書で想定しきれない事態にどのように対応するのかを学べます。例えば、救命救急の実習最終日に消防署を訪問し、救命救急の現場を体感したことも印象深い経験で、現場の人々からも多くのことを学びました。
 また、実習中、指導医の先生方は親身かつ熱心に教えてくださいます。各診療科で実際に使用する器具を触らせていただいたり、内視鏡などのシミュレーターを使わせていただくなど、ご指導のもと様々な実体験を重ねました。加えて、先輩方が医師として働かれる姿を間近で見て、自分も将来このように働くのだという実感がわいてきました。
 臨床においては患者さんとのコミュニケーションも非常に重要です。患者さんからも多くの学びがあり、実習の機会をいただけたことに感謝しています。

Q 兵庫医科大学病院で実習するメリットは?

 "施設設備が充実していること""内装が新しく清潔であること"は本学の強みだと感じています。
 実習生は、指導医の先生に確認してもらう電子カルテを作成しなければならないのですが、その作成を練習できる「電子カルテトレーニングセンター」という実習生のためだけの施設が用意されています。この施設を利用し、時には実習生同士で相談をしながら、リラックスした環境で電子カルテを作成することができました。

Q 実習は大変ですか?

体力的にきつい面は、確かにあります。しかし、現場で実習してレポートを書くというのは実際に働く医師の勤務リズムに近く、その点ではそこまで辛いことではないとも思います。また、「死」に立ち会うという非常に悲痛な場面も経験しました。精神的な苦しさも少なからずありますが、医師としては避けがたい、受け入れないといけないことでもあります。今のうちに体験できたことはよかったとも感じます。

Q どんな医行為を行いましたか?

バイタルチェック(血圧測定、採血)、縫合、髄液採取の介助、包帯巻き等です。

Q 将来の展望をお願いします。

患者さんと真摯に粘り強く向き合い、不安解消に役立てる医師になりたいです。