学部・大学院
早期臨床体験実習(1年次)
早期臨床体験実習(Early Clinical Exposure)は、医学部に入学したばかりの学生が実際に医療の現場を体験することにより、医学生としての自覚をもち、医師への動機づけを目的とした臨床医学実習のひとつです。
入学したばかりで、医学的知識をほとんど持っていない時期に行われる実習であるため、専門的な知識や手技の修得を目的としたものではなく、患者さんに対する看護、介護を通してひとりの人間としていわゆる社会的弱者の苦悩を理解し、その中から、将来医師となるべき自分が今後何をなすべきかを自覚することが大きな目的です。
1日目:オリエンテーション
オリエンテーションでは、兵庫医科大学病院の概要や、実習中に指導を受ける看護師の業務などについて看護部長より説明を受けます。その後、個人情報の取扱いについて、医療情報学教授より講義を受け、情報セキュリティの重要性を学びます。
続いて、身だしなみについて学生間で話し合いながら、病院実習にふさわしい服装、髪型を確認します。身だしなみチェックが終わったグループから、実習にいく病棟に各自挨拶に伺います。
2・3日目:病棟実習
身だしなみのチェックを受けた後、1グループ5~6人ごとで病棟に向かい、看護師について看護の現場を体験します。検温や与薬、入院患者さんの受け入れ、退院患者さんのお世話、入退院の手続き、清拭・リネン交換、食事介助、環境整備、看護記録など、病棟で行われている業務の見学(一部介助)を通じて、看護師の仕事の流れを学びます。
また、患者さんの入院生活や病を得た方の気持ち、看護師と他職種の医療職者との連携についても学びます。
4日目:グループ別発表会
実習グループに分かれ、実習の成果発表に向けたまとめを行います。自分達の感じたこと学んだことをまとめ、グループ毎に成果を発表します。
また、他グループの実習内容や感想を聞き、質問や意見などをしながら実習の成果を共有します。
発表会での学生コメント
- 患者さんの立場だったらどうして欲しいかを考えるきっかけになった。
- 医師だけが治療するのではなく、チームで働くことの大切さが理解できた。
- 医師になったら見られないだろう視点で見ることができた。
- 看護師の業務をより深く理解することができ、医師になった時にも看護師との連携は重要だと感じた。
- 働くうえで、患者さんとも医療職者とも、何よりもコミュニケーションが重要だと感じた。
- 皆さんがとても素晴らしい対応をしているのを見て、将来自分も一緒に働くことになった時には、それを超えるくらいになって頼られる医師になりたいと思った。
- 医療現場を体験することで、自分が医師として働くイメージをより具体的に持つことができた。
- 処置や治療だけではなく、記録を付けるときにも数値の1つでも間違えると医療ミスに繋がるので、記録や情報管理の大切さも感じた。
学生感想
- 【伊佐治 路偉さん】
- 実際に医療現場を体験することで医師になる実感を持つことができ、今後勉強をしていく上でモチベーションアップに繋がりました。コミュニケーションの重要性を感じたので、看護師さんや患者さんとも良い関係の築ける医師になりたいと思いました。
- 【山本 奈津子さん】
- 1日ずっと立ち仕事なので、体力も必要なのだなと感じました。実際の医療現場で洗礼を受け、知識と体力をつけていきたいと思いました。また、これまで患者の立場しか経験していませんでしたが、実習を通じて医療職者側を体験し、視野が広がりました。患者さんにも色々な方がおられるので、1人1人にきちんと対応できるような幅の広い医師になりたいと思いました。
- 【富樫 救さん】
- 今回の実習を通じて看護師の業務や医療職者としての立場を経験することで、チーム医療を進めていく上でも良い経験になったと感じました。これまで医師がすると思っていたような仕事も、看護師が担当していることがあったり、現場での仕事の分担についても学ぶことができました。今はまだ何もできない立場でしたが、早く治療に参加したいと思い、モチベーションがアップしました。