学校法人 兵庫医科大学

「痛みのわかる」医療職を育成 ~兵庫医科大学・兵庫医療大学合同プログラムも~

その他

学校法人兵庫医科大学(兵庫県西宮市、理事長・太城 力良)は、2019年度より「痛みのわかる医療職」の育成に力を入れています。

これまで、日本の医療職教育の現場では「痛み」に関する集学的な教育が不十分でしたが、慢性疼痛患者の有病率が20%を超える現代社会において、患者さんの「痛み」を理解し、正しく治療できる医療職の育成は年々求められています。

そこで、学校法人兵庫医科大学が擁する兵庫医科大学(西宮市、学長:野口 光一)<医学部>および兵庫医療大学(神戸市、学長:藤岡 宏幸)<薬学部・看護学部・リハビリテーション学部>では、「痛み」について学生に理解を深めてもらうため、2019年度に教育カリキュラムを大幅に改定しました。

今後は、兵庫医科大学病院で勤務する現役の医療職などにも「痛み」に関する教育を行う予定です。

2019年度 改訂カリキュラム内容

1.「チーム医療演習–患者の痛みのわかる医療者養成-」内、プログラムを変更
 兵庫医科大学3年次生と兵庫医療大学4年次生が合同で、「痛み」に関する特別講義を受講したり、「痛み」をテーマとした
 グループワーク・発表などを行ったりする。
・実施日 :8月29日(木)~9月6日(金)
・実施場所:兵庫医科大学


2.「早期臨床体験実習」内、プログラムを追加
 兵庫医科大学1年次生と兵庫医療大学1年次生が合同で、「痛み」に関する理解を深めるグループ討議を行う。
・実施日 :9月9日(月)~11日(水)
・実施場所:兵庫医科大学


3.「基礎医学統合TBL※」内、プログラムを追加
 2年次生が、神経科学、特に痛みのメカニズムや臨床との関連について、グループ討議で学習する。
・実施日 :8月27日(火)・29日(木)
・実施場所:兵庫医科大学
※Team Based Learning: チーム基盤型学習


4.「臨床疼痛学」 講義を新設
 4年次生が痛みの分類を理解し、慢性的な痛みがある病態と治療について学ぶ。
・実施日 :6月14日(金)~7月24日(水)
・実施場所:兵庫医科大学


5.「痛み教育センター」による「臨床実習」を開始
 4~5年次生が兵庫医科大学病院で行う臨床実習のなかで、痛み・緩和ケアについて重点的に学ぶ。
 実習をサポートする部署「痛み教育センター」は今年度新設。
・実施日 :通年
・実施場所:兵庫医科大学病院

■痛み教育プロジェクトメンバー

・リーダー
鈴木 敬一郎(兵庫医科大学 副学長、学校法人兵庫医科大学 医療人育成研修センター長)

・メンバー
廣瀬 宗孝(兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学 主任教授、兵庫医科大学病院 緩和ケアセンター長)
髙雄 由美子(兵庫医科大学病院 ペインクリニック部 教授)
橘 俊哉 (兵庫医科大学 整形外科学 主任教授)
古江 秀昌(兵庫医科大学 生理学 神経生理部門 教授)
藤岡 宏幸(兵庫医療大学 学長)
戴 毅(兵庫医療大学 薬学部 教授)

学長 メッセージ

“痛み”は日常よく経験する感覚体験であり、また“疾病の数多くの症状の一つにすぎない”という認識が、長年にわたり日本の医療者の間で普通であったため、医学教育カリキュラムの中では散発的に教えられてきました。

しかし現在、患者の痛みは、“積極的に理解し治療すべき対象である”という認識が広がりつつあります。本学は、今年度より医学教育カリキュラムに“痛み”を積極的に取り入れ、“痛み”を理解し正しく治療出来る医療者を育てることを目指したいと考えています。

兵庫医科大学 学長 野口 光一
(兵庫医科大学 解剖学 神経科学部門 主任教授)

痛み教育プロジェクトリーダー メッセージ

本法人の「痛み」教育プログラムは、解剖学、神経生理学など基礎医学から臨床のがん性疼痛、整形外科的な疼痛、麻酔薬などの薬理作用、緩和医療、オピオイド乱用防止そして看護ケアやリハビリテーションまで幅広い内容を含んでいます。

9月に実施する「チーム医療演習」では、疼痛症例について4学部の学生が一緒に課題に取り組みます。将来的には痛み教育センターで多職種連携による痛み診療の現場を学ぶ予定です。痛みのわかる医療者の誕生は医療の質向上につながると確信しています。

兵庫医科大学 副学長 鈴木 敬一郎
(兵庫医科大学 生化学 主任教授、
学校法人兵庫医科大学 医療人育成研修センター長)

本リリースに関するお問い合わせ先

学校法人兵庫医科大学 総務部 広報課

TEL:0798-45-6655(直通)
FAX:0798-45-6219
E-mail:kouhou@hyo-med.ac.jp
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