学校法人 兵庫医科大学

潰瘍性大腸炎の手術数が2,000例目を突破 ~内科と外科が連携し難病治療を実施~

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兵庫医科大学病院 (所在地:兵庫県西宮市、病院長:阪上雅史)では、1983年以来36年間で、炎症性腸疾患外科で行ってきた潰瘍性大腸炎の手術数が、2019年7月8日に2,000例を突破しました。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。若い世代で発症することが多いとされていましたが、近年では高齢発症も増加しています。「難病」という希少疾患ではあるものの、国内の潰瘍性大腸炎の患者数は急増しており、2016年度の厚生労働科学研究班の「全国疫学調査」によると22万人に達すると推定されています。その治療法は、薬物治療をはじめとした「内科的治療」と、重症や発癌症例に対して施行する「外科的治療」に分けられますが、兵庫医科大学病院では、1983年頃からいち早く患者さんのQOLの向上をめざした潰瘍性大腸炎の外科的治療を行ってきました。また、2009年1月には「IBDセンター」を設置したことで、内科・外科の専門医が連携しながら日々診療を行い、患者さんにとって最適な治療を行っています。

IBDセンターとは

潰瘍性大腸炎をはじめとする難治性の炎症性腸疾患を内科・外科が密に連携し患者さんの治療を行うセンターです。難治性の疾患は、生涯にわたる治療を考慮にいれてケアしていく必要があるため、複数の診療科での支援が必要な炎症性腸疾患診療を集約化することで、内科・外科の連携がより可能となり、看護師や管理栄養士などのコメディカルスタッフと共に総合的な対応を行うことができます。


■概 要
・設置
2009年1月
・センター長
池内 浩基(炎症性腸疾患外科 主任教授)
・スタッフ
内科医(炎症性腸疾患内科)・・・12名
外科医(炎症性腸疾患外科)・・・8名
※看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士などの多職種も連携

■対象疾患
難病指定を受けている「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」を中心に治療を行っています。当院では、人工肛門を有する症例も多いため、皮膚・排泄ケア認定看護師が患者さんやご家族が安心して快適な日常生活を送ることができるようにストーマケア(※)を行う専門外来も毎日開設しています。

(※)おなかにできた便の排泄口のセルフケアの確認や相談、合併症の予防と早期対処などの個別的なサポート

炎症性腸疾患外科 主任教授/IBDセンター センター長 池内 浩基

潰瘍性大腸炎 手術数2,000例を超えて

潰瘍性大腸炎(UC)の手術は大腸全摘術が基本ですが、当院では、大腸を全摘しても、永久人工肛門にならない手術の開発を行ってきました。当院での、UCに対する括約筋温存手術の第1例目は、1984年8月に東京医科歯科大学から赴任した宇都宮譲二教授により行われています。その後、術式の改良を進めながら2007年12月19日に1,000例目の手術。そして、2019年7月8日に2,000例目の手術を行いました。本邦でも多い手術数であり、今後も患者さんのQOLの向上を目指して診療・研究を進めていきたいと考えています。

本リリースに関するお問い合わせ先

学校法人兵庫医科大学 総務部 広報課

TEL:0798-45-6655(直通)
FAX:0798-45-6219
E-mail:kouhou@hyo-med.ac.jp
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