学校法人 兵庫医科大学
人を診て地域を診る「総合診療専門医」の養成開始~専門科の枠を超えた「総合診療科」の新設~

兵庫医科大学 ささやま医療センター (兵庫県篠山市、病院長:片山覚)は、多様な地域の病院・診療所などで活躍する高い診断・治療能力を持つ「総合診療専門医」の養成を平成30年4月1日より開始します。それに伴い、診療科に「総合診療科」を新たに設置し、研修医への在宅医療、健診保健指導と外来診療での充実した教育を行いながら、患者さんへの包括的なケアを目指します。
総合診療専門医とは
高齢化と少子化が人口減少と同時に進行している日本では、高齢者の多くはいくつかの疾病に罹患していることがあり、複数の診療科の受診を余儀なくされます。しかし、現代社会においては、医師や医療施設、診療科の地理的偏在も多く、専門家での受診が困難といわれています。これらの現状を踏まえ、健康にかかわる問題について適切な初期対応等行う医師が必要となることから、総合的な診療能力を有する医師の新たな基本診療領域の専門医として「総合診療専門医」が位置づけられました。
兵庫医科大学 ささやま医療センターでは、独自の研修プログラムにより6つの専門研修連携施設と協力しながら「総合診療専門医」の養成を目指していきます。
※専門研修連携施設…兵庫医科大学病院(西宮市)、柏原赤十字病院(丹波市)、多可赤十字病院(多可郡)、篠山市立草山診療所、篠山市立東雲診療所、篠山市立今田診療所
総合診療科
開設の背景
日本社会の急速な高齢化は、丹波篠山地域では特に顕著であることから、「総合診療専門医」の養成開始に併せて、健康問題を解決するために必要な総合的な能力・知識をもった医師を育成しながら、質の高いプライマリケアを実践していく診療科として「総合診療科」を新設することになりました。
概要と役割
・初診や体調変化などで予約外受診をする患者さんの診療を行う。
・研修医が初めの診療にあたり、必要に応じて上級医に相談、指導を受け診療を行う。
・診療科を問わず、急患や救急搬送患者の診療を行う。
・プライマリケア能力を有する総合診療専門医の育成を行う。
【構成医師】
総合診療科部長 片山 覚(病院長)、各専門領域の医師(教授2名、准教授1名、講師3名、助教9名)
病院助手2名、後期研修医9名 計 27 名
期待される効果
・どの診療科で診てもらえばよいか分からない患者さんに適切な診療科の紹介が可能となる。
・予約外患者さんの待ち時間を少なくして診療することが可能となる。
・当直医として幅広い疾患に対する初期診療が対応可能となる。
・将来的に、総合診療専門医による幅広い診療が可能となる。
※また、総合診療科の新設に併せて、これまでの特定検診や企業検診に加え、協会けんぽ加入者が受検できる生活習慣病予防検診の指定医療機関として篠山市民に対する健康、介護予防に寄与することを目的とした「健診センター」を設置。さらには、安心・安全な地域づくりと地域医療における多施設の多職種が包括的ヘルスケアを実践するために、院内における複数業務を統合した「総合支援室」を設置することで、院内連携・地域連携をより強固なものとし、地域医療の篠山モデル((1)生活モデル化 (2)包括化 (3)地域化)実現を可能とします。
【主な業務】
●健診センター
・特定健診、特定保健指導 ・生活習慣病予防検診
・篠山市委託検診(乳がん、子宮がん、ピロリ) ・他医療機関からの委託検診
※これら検診を院内で行い、結果によりすみやかに院内診療科での受診につなげていく。
●総合支援室
・地域連携業務 ・病床管理業務 ・入退院支援業務
・在宅支援業務 ・総合相談業務
※これまで、複数の部署で行ってきた上記業務を統合し、多職種で包括的に支援する。
本リリースに関するお問い合わせ先
学校法人兵庫医科大学 総務部 広報課
TEL:0798-45-6655(直通)
FAX:0798-45-6219
E-mail:kouhou@hyo-med.ac.jp