学校法人 兵庫医科大学
脳梗塞治療の新たな指針となるエビデンスを世界に先駆けて報告
研究
兵庫医科大学 脳神経外科学講座 主任教授の吉村紳一らの研究グループは、脳梗塞発症からスタチン投与開始までの経過時間は3ヶ月後の予後(自立度)と関連が無いことを世界に先駆けて報告しました。なお、本研究はアメリカで開催される国際脳卒中学会のLate breakingセッションにて発表します。
本研究のポイント 脳梗塞治療の優先順位に関する世界的な指針を示し、患者に適切な治療をもたらすことができます。
研究の背景
WHOによると全世界で毎年約600万人が脳卒中で命を落としていることから、脳梗塞などの脳卒中に対する統一した治療手順の確立が必要とされている。今回の臨床試験に使用した高コレステロール血症治療薬である「スタチン」は、脳梗塞の再発予防に効果があることは分っていたが、脳梗塞の発症直後に投与することで3ヶ月後の予後(自立度)が改善されるかどうかについては、未だ十分なデータがない。このため、医療機関によってスタチンの治療開始時期にばらつきが生じていた。
研究目的
脳梗塞を発症してから24時間以内にスタチンを投与することで、患者の予後(自立度)を改善できるかについて研究する。
対象
2015年9月1日~2016年8月31日の期間に、研究参加施設(13施設)に急性期脳梗塞で入院した20歳以上の患者270人を対象とした。
方法
脳梗塞発症から24時間以内にスタチン投与を開始する群(A群)と、発症7日後に投与を開始する群(B群)にランダムに分け、経口投与を実施。発症から3ヵ月後の予後(自立度)を評価した。
結果
比較的軽度の脳梗塞患者においては、発症直後からスタチン投与までの経過時間は予後(自立度)と関連がなかった。
(以下参照)

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