学校法人 兵庫医科大学

理事長挨拶

輝く未来、次の50年に向かって

1972年開学の兵庫医科大学は、開学50周年を機に、神戸キャンパスの兄弟校である兵庫医療大学の薬学部、看護学部、リハビリテーション学部と統合して、4学部からなる医系総合大学として2022年4月にスタートしました。有数の文教地区である西宮市に森村茂樹先生の創設による本法人は、「社会の福祉への奉仕」「人間への深い愛」「人間への幅の広い科学的理解」という建学の精神を礎に、次の50年に大きく躍進し一人ひとりの人生が豊かな社会をめざします。

これまでの成長の過程を振り返ると、阪神・淡路大震災の試練を克服し、西宮キャンパスでは、優れた医師の育成と医学医療の発展に貢献する研究を推進するとともに社会の要請に応じた医療と教育を実践するため、平成記念会館やPETセンター、急性医療総合センター、健康医学クリニック、教育研究棟などを建設するとともに、先端医学研究所や医療人育成センターなどの諸施設の設置による環境整備と運営改善をして参りました。神戸キャンパスでは、薬学部、看護学部、リハビリテーション学部とともにチーム医療を実践する医療人の育成のための教学基盤の確立に努めて参りました。また、篠山キャンパスでは、1997年に移譲を受けた国立篠山病院を「ささやま医療センター」「老人保健施設」「居宅サービスセンター」として整備し、現在は地域包括ケアを実践しています。

これらにより、教育・研究・診療に地域貢献を加えた4領域のバランスよい発展を具現化する大学として今後も邁進していく所存です。次なる展開として、2022年秋には梅田健康医学クリニックをオープンします。さらに、新たな病院棟の建設に着手し2026年の竣工予定です。診療体制の充実はもちろん、臨床教育の充実にもつながる新病院棟の誕生により、本法人に豊かな未来のステージをもたらすことでしょう。今後も、医系総合大学としての高質な環境整備に全力を傾注するとともに、全教職員と力を合わせ、公正誠実な法人運営を堅持して参る所存です。

科学・情報の高度化などに伴って、医学・医療の急速な変革が進んでいますが、今回のCOVID-19の蔓延により、脆弱な部分を曝け出しました。本法人としては医の知・技だけではなく、「患者さんのQOLを考える医療人の育成」と「組織のコンプライアンス遵守」を基本として、時代に即した先駆的な研究や、特定機能病院としての社会的使命を果たし地域貢献をして参りたいと考えております。そして、皆様から信頼される医系総合大学として、さらなる飛躍をめざして参ります。

2022年4月
学校法人兵庫医科大学 理事長 太城 力良