大学紹介
学位授与の⽅針(ディプロマ・ポリシー)
大学全体
本学は、建学の精神並びに目的、使命、教育目標のもとに、人間への深い愛と豊かな人間性を持ち、幅広い知識と優れた技術を備え、かつ科学的な理解に基づいて、社会の福祉に奉仕できる医療専門職者を育成し、在学中に所定の単位を修め、所定の学修成果に到達した学生に学位を授与します。
医学部
兵庫医科大学医学部は、「建学の精神」である「『社会の福祉への奉仕』『人間への深い愛』『人間への幅の広い科学的理解』」に基づき定められた使命を達成するため、人間への深い愛情を持ち、かつ科学的な観察・理解に基づいて、社会の福祉に奉仕できる医師を育成します。6年間在学して所定の単位を修得し、それぞれの4領域12要素の全ての学修成果を修めた学生に学士(医学)の学位を授与します。
社会の福祉への奉仕
関心・意欲・態度
安心・安全な医療に強い使命感と自律性を有し、優れた協調精神を持ってチーム医療の一員として社会の福祉に奉仕できる良医となるべき素養を有している。
思考・判断
医療を取り巻く社会経済的動向を把握し、地域医療の向上に貢献するとともに、地域の保健・医療・福祉・介護および行政等と連携協力できる。
技能・表現
人文社会科学を含む幅の広い教養と国際性を身につけ、海外からの情報を積極的に利用できる語学力を有し、国際保健に貢献できる。
知識・理解
人体や疾病に影響を与える社会的な要因や背景について理解し、支援扶助の社会的仕組みについて理解している。
人間への深い愛
関心・意欲・態度
豊かな人間性と生命の尊厳についての深い認識を有し、人の命と健康を守り、社会の福祉に奉仕する医師としての職責を自覚し、地域ならびに母校への帰属意識を有している。
思考・判断
患者およびその家族の人権を守り、医師の義務や医療倫理を遵守するとともに、患者の安全を最優先し、患者の権利と生命の尊厳を守ることができる。
技能・表現
人間の多様性を理解し、周囲の人々への温かい眼差しを持ち、共感できる豊かなコミュニケーション能力を有している。
知識・理解
患者の痛み、苦しみ、悩みと機能障害を含め様々なハンディキャップを理解し、常に患者中心の立場に立つことができる。
人間への幅の広い科学的理解
関心・意欲・態度
医学・医療の進歩と改善に資するために研究を遂行する意欲と生涯にわたり自己研鑽を続ける態度を有し、同僚・後輩への教育に労を惜しまない。
思考・判断
患者の持つ様々な問題点を科学的かつ統合的に捉え、的確に判断し解決できる応用力と問題解決能力を有している。
技能・表現
基本的な診察法、医療技術、救命救急法を修得しており、全身を総合的に診療するための実践的能力、ならびに医療安全と危機管理の能力を有している。
知識・理解
人体の構造、機能および異常や疾病とそれらの原因、病態、診断、治療に関する基本的な知識ならびに様々な疾病に対する適切な治療法を身につけている。
薬学部
本学部所定のカリキュラムを修了するとともに、以下の資質を身につけた学生に卒業を認定し、学士(薬学)を授与します。
1. 幅広い教養と豊かな人間性を持ち、医療専門職者に必要な倫理観、使命感、責任感を有する。
2. チーム医療の一員として、他の医療専門職者とコミュニケーションを取り、互いの立場を理解し尊重しながら、薬剤師として貢献することができる。
3. 十分なコミュニケーション能力を有し、患者の病態のみならず心理的・社会的背景を理解したうえで薬物治療を実践することができる。
4. 「医薬品・化学物質」と「生体・環境」およびその相互作用について正しい知識を身につけ、さらにそれを応用する技能を有する。
5. 西洋医学および東洋医学に基づく安全かつ有効な薬物療法を主体的に実施するために必要な薬学的管理を実践する能力を有する。
6. 地域の医療・保健・福祉に関する知識と、それを地域住民の健康増進、公衆衛生の向上に結びつける能力を有する。
7. 研究活動に取り組む意欲を有し、研究課題を発見し解決する基本的能力を有する。
8. 世界の医療・科学技術の進歩に迅速に対応できるよう、生涯にわたり自ら学び続けることができる。
9. 次世代の医療を担う人材を育成し、医療の継続的な発展に貢献するため、後進を指導する意欲と態度を有する。
看護学部
本学部所定のカリキュラムを修了するとともに、以下の資質を身につけた学生に卒業を認定し、学士(看護学)を授与します。
1. 人間および生命の尊厳に対して真摯に向き合うことができる。
2. 地域社会から国際社会に至る多様な文化を持つ人々の生き方や価値観を尊重できる豊かな人間性を備える。
3. 看護に必要な専門的知識および論理的思考を身につける。
4. 看護を提供するための問題解決に向けての方略を選択し実践できる。
5. 看護の基本技術を的確に実施できる。
6. コミュニケーション技法を用いて、対象者と信頼関係を築くことができる。
7. 医療・保健・福祉のチームにおける各専門職種の専門性および役割を理解できる。
8. 医療チームの中で他職種と有効かつ協力的にコミュニケーションをとり、専門職としての責任ある行動をとることができる。
9. 地域的・国際的動向に関心をもち、それぞれの地域や国の文化を通して、医療・保健・福祉の課題と看護職者の役割を展望することができる。
10. 自己の知識・行動・態度の客観的な評価に基づき、課題を見出し、主体的・創造的に取り組むことができる。
リハビリテーション学部
本学部所定のカリキュラムを修了するとともに、以下の資質を身につけた学生に卒業を認定し、理学療法学科では学士(理学療法学)、作業療法学科では学士(作業療法学)を授与します。
1. 人々の幸福と健康に貢献するために行動する人間力を身につける。
2. リハビリテーションを実践するために必要な医学・医療・保健・福祉・行政などの知識を身につける。
3. 効果的にリハビリテーションを実践するために必要な、確かな技術を身につける。
4. チーム医療・地域医療を担う一員として、さまざまな専門職者と連携・協力できるコミュニケーション能力を身につける。
5. ICU(集中治療室)をはじめとする急性期から施設・在宅の生活期に至る幅広い対象者の問題に向き合う対応力を身につける。
6. さまざまな臨床的課題を解決できる総合的実践力を身につける。
7. 先駆的な研究・教育を展開できるように自分の能力を磨き、他者とともに自己を高めていく能力を身につける。
8. 地域社会から国際社会に至る多様な文化や価値観を理解する豊かな人間性を身につける。
理学療法学科
理学療法学を修め、以下の能力を修得する。
1. 自ら、理学療法と人間の生体反応を結びつけて考えることができる臨床推論力を修得する。
2. 運動器、神経系、内部障害に対する理学療法の知識と技術を理解し、個々の対象者に応じて適用できる応用力を修得する。
作業療法学科
作業療法学を修め、以下の能力を修得する。
1. 自ら、作業療法と人間の生活活動や心身機能を結びつけて考えることができる臨床推論力を修得する。
2. 身体機能・精神機能・人間発達と関連づけて作業療法の知識と技術を理解し、個々の対象者に応じて適用できる応用力を修得する。
大学院全体
本学大学院は、建学の精神ならびに本学大学院の使命、教育目標のもとに、人間への深い愛と豊かな人間性を持ち、社会や医療分野におけるさまざまな課題を解決するための研究する心と力を修めた学生に、学位を授与する。
医学研究科
兵庫医科大学大学院医学研究科は、建学の精神である「社会の福祉への奉仕」「人間への深い愛」「人間への幅の広い科学的理解」に則り、人間への深い愛情を持ち、かつ科学的な観察・理解に基づいて社会の福祉に奉仕できる医学研究者を育成します。具体的には、4年間在学し、所定の単位を修得し、論文審査に合格し、次に掲げる知識・能力を備えた者に「博士(医学)」の学位を授与します。
修得すべき知識・能力等
1. 独創性豊かな研究を立案、遂行できる
2. 医学に関する高度な専門知識・技術を修得している
3. 高い医学・研究倫理が培われている
4. 高度な研究能力とその基盤となる豊かな学識及び崇高な人間愛の精神が培われている
5. 研究成果を世界に発信し、医学・医療の進歩に貢献できる
6. 研究活動によって得た成果を社会に還元し、医学・医療の進展に寄与できる
学位授与基準
兵庫医科大学大学院医学研究科では、4年以上在学して所定の授業科目を34単位以上修得するとともに必要な研究指導を受けた上、学位論文を提出し、研究発表会において発表を行い、学位論文の審査を経て、最終試験に合格した者には博士(医学)の学位を授与します。ただし、所定の単位を修得し、優れた研究業績を上げた者については、大学院に3年以上在学すれば足りるものとします。
学位論文審査基準
学位論文の審査は、次の全ての項目について行われます。
1. 当該研究分野における新規性・独創性があること
2. 当該研究分野における学術的・社会的意義があること
3. 研究結果へのアプローチについて論理性が高く妥当であること
4. 生命の尊厳を尊重し研究倫理を遵守していること
5. 「学校法人兵庫医科大学における研究活動の不正行為に関する取扱規程」を遵守していること
薬学研究科
本研究科所定の単位を修得し、以下の目標を達成した学生の修了を認め、博士(薬学)の学位を授与します。
1. 自立した薬学研究者として活動するために必要な専門的知識を有する。
2. 学術論文等から修得した医療薬学に関する最先端の知識を基に、他者の研究を理解し、かつ批判的に吟味できる能力を有する。
3. 医療の抱える問題点を自ら見出し、それに基づき検証可能な薬学的課題を設定する能力を有する。
4. 薬学的課題を解決するために必要な技能と意欲を有する。
5. 研究成果を論文などとして発表することができる。
看護学研究科
本研究科所定の単位を修得し、以下の目標を達成した学生の修了を認め、修士(看護学)の学位を授与します。
看護学基礎研究領域
1. 高い倫理観を基盤とした看護の高度な実践能力や研究者としての基礎的能力を有する。
2. 医療・保健・福祉チームにおける連携・協働を促進する役割を果たすことができる。
3. 国際的な視野に立ち看護の課題に取り組む姿勢を有する。
看護学課題研究・高度実践領域(CNS)
1. 高い倫理観を基盤とした看護の高度な実践能力や研究者としての基礎的能力を有する。
2. 専門看護師(CNS)に求められる「卓越した実践能力」「教育能力」「コンサルテーション能力」「コーディネーション能力」「研究能力」「高邁な倫理観」の6つの能力を有する。
医療科学研究科
本研究科所定の単位を修得し、以下の目標を達成した学生の修了を認め、修士(医療科学)の学位を授与します。
リハビリテーション科学研究コース
1. リハビリテーション科学を究め、広めるために必要な知識および実践力の基礎的能力を有する。特に、研究倫理に関しては、十分な知識および高い倫理意識を有する。
2. 臨床経験および先行研究をもとに、研究疑問を焦点化する能力を有する。
3. 研究疑問を解決するための適切な過程を決定し、実施する能力を有する。
4. 実施した研究を適切な文章、および、効果的なプレゼンテーションを用いて他者に説明する能力を有する。
5. 常にリハビリテーション科学および関連領域の先駆的知識を理解する姿勢を有する。
リハビリテーション科学課題研究コース
1. リハビリテーション科学を究め、広めるために必要な知識および実践力の基礎的能力を有する。特に、研究倫理に関しては、十分な知識および高い倫理意識を有する。
2. 臨床経験および先行研究をもとに、臨床的課題を焦点化し、その課題を解明する科学的根拠を推論する(臨床的推論)能力を有する。
3. 臨床的推論に基づいて介入した症例を通して、介入前後の変化を客観的に評価する能力を有する。
4. 臨床的課題を解明する過程を適切な文章、および、効果的なプレゼンテーションを用いて他者に説明する能力を有する。
5. 常にリハビリテーションの臨床的課題を探求し解明しようとする姿勢を有する。