推薦図書リスト1(2008年)

by 田中 稔之

「寺子屋」免疫生物学 推薦図書

教科書の外にも学びたいことは沢山あります。「寺子屋・免疫生物学」では読んでみたい本の推薦もしています。いずれも手に入りやすい本で、多くが生体防御学研究室や図書館に収められています。

*科学に親しむ読み物

生物と無生物のあいだ(福岡伸一:講談社学術新書)¥777
「生きている」とは、どういうことかをミステリー仕立てに読みやすくまとめた好著。最近のベストセラーのひとつ。

唯脳論(養老孟司:筑摩書房・文庫)¥924
「バカの壁」等で有名な養老先生の考え方の中心部分。現代社会を「脳化社会」と喝破したスリリングな論考。

小さな小さなクローディン発見物語(月田承一郎:羊土社)¥1890
惜しまれて亡くなった月田教授が若い研究者・学生に贈る遺稿。なぜ「学ぶ」のだろうか、「見える」とはどういうことか。

免疫学個人授業(南伸坊・多田富雄:新潮社)\1200
南伸坊氏が免疫学の碩学・多田富雄先生を独り占めするなんとも贅沢で楽しい授業中継。

現代免疫物語(岸本忠三・中嶋彰:講談社ブルーバックス)¥987
免疫学の進歩を、多くのエピソードとともに疾走感あふれる物語につづった読み物。著者の岸本忠三教授はIL-6の発見者で前大阪大学総長

*文章・アイディア・読書術

理科系の作文技術(木下是雄:中公新書)¥735
誤解の生まれない理科系の仕事の文章作法についてまとめた古典的名著。著者の木下是雄博士は科学エッセイで知られる物理学者。

アイディアの作り方(ジェームス・ヤング:TBSブリタニカ)¥816
「アイディア」ってどんなふうに生まれるの?「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」というものまんざらでない。竹内均博士の解説付き。

 読書力(斎藤孝:岩波新書)¥816
「読書はしなくてもいいものでなく、ぜひとも習慣化すべき「技」である」と述べる著者の斎藤孝明治大学教授は田中の高校1年先輩(残念ながら面識なし)。読書リスト付き。

*文学・エッセイにも親しもう

風の歌を聴け(村上春樹:講談社文庫)¥400
1970年の夏、「僕」と友人「鼠」の物語。海外で翻訳される作品も多い村上春樹のデビュー作「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」へ続いていく。

三四郎(夏目漱石:新潮文庫)¥340
熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎を取り巻く物語。電車にのって東京にむかう冒頭は印象的。「それから」「門」へと続く漱石初期三部作のひとつ。

若き数学者のアメリカ(藤原正彦:新潮文庫)¥514
数学者・藤原正彦博士のアメリカ留学時代のできごとをつづった名エッセイ。「国家の品格」の根底あるみずみずしい海外体験の記録。

バッテリー(あさのあつこ:角川文庫)全5巻
天才ピッチャー原田巧と同級生キャッチャー永倉豪の物語。登場人物は中学生に設定されているが、侮る事なかれ。

* 哲学・思想や人生についての考え

じぶん・この不思議な存在(鷲田清一:講談社現代新書)¥735
「わたしはだれ?」この問いに答えはあるの?著者の鷲田清一先生は、現大阪大学総長。

 はじめての構造主義(橋爪大三郎:講談社現代新書)¥700
「構造主義って何よ?」ちょっと進んだ高校生、おませな中学生にも読めるように?書かれた現代思想のキーワードを見渡す入門書。

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