今日の科学的な観察を、明日の患者のために

兵庫医科大学 臨床疫学に、平成26年12月 臨床医学系の学科目として新しく設置された講座です

ごあいさつ

ごあいさつ

臨床疫学のホームページにようこそ。当臨床疫学は平成26年12月に臨床医学系の学科目として新しく設置された講座です。私は平成14年にハーバード大学公衆衛生大学院を卒業して帰国後より、継続して臨床の現場から生み出される臨床研究の実施や、そのための教育・インフラ作りを行ってきました。その中で多くの臓器別専門医と協力して、様々な疾患に対する治療法の比較や患者の予後に関する臨床研究を実施してきました。

私自身は、一方で総合診療医として多様な日常診療における医療の質の評価を行ってきました。その一つが、医原性有害事象や薬剤性有害事象の臨床疫学研究です。臨床医発の臨床研究をより科学的に実施し、報告するための臨床研究スキル教育にも力を入れています。

臨床疫学講座は、これらの学術活動のプラットホームとして、あらゆる臓器別診療科や学内、学外の医療機関、研究機関、製薬企業、医療系産業と協力して質の高い、科学的な臨床研究を推進します。今日の診療から生まれ、明日の患者さんに還元される臨床研究を共に実施し、発展させる意欲のあるすべての皆さんの参画を歓迎します。

兵庫医科大学 臨床疫学  教授 森本 剛

経歴・スタッフ紹介

  • 新着情報
  • 講座(部署)紹介
  • 研究の現状

2018年8月20日

「教室について」「大学院臨床研究学」ページを更新しました

2017年5月1日

「教室について」「大学院臨床研究学」「研究について」「教育について」ページを更新しました

2016年5月10日

「大学院臨床研究学」ページを更新しました

2015年4月23日

ホームページをリニューアルしました

講座(部署)紹介

臨床疫学とは臨床医学に関連する諸問題について疫学的手法を用いて解決しようとする学問である。当講座は、診療上の意思決定に直結する以下の課題について、人を対象とした医学系研究(臨床研究)を実施している。

  1. 治療効果や予後に関する研究
  2. 日常診療の質に関する研究
  3. 臨床推論に関する研究

また、以下のような課題にも取り組み、本学のみならず、わが国における臨床研究の質の向上を目指している。

  1. 臨床研究の方法論に関する研究
  2. 臨床研究スキルの教育に関する研究

概要

一貫して人を対象とする医学系研究(臨床研究)を幅広く実施してきた。特に、医原性有害事象や薬剤性有害事象の臨床疫学研究では、わが国を代表する研究成果を多く発表してきた。また、多くの臓器別専門医と協力して、様々な疾患に対する治療法の比較や患者の予後に関する臨床研究を実施してきた。さらに、臨床医発の臨床研究をより科学的に実施し、報告するための方法論の開発や臨床研究スキル教育にも力を注いでいる。


主題

  1. 治療効果や予後に関する臨床疫学研究:
    臓器別専門医と協力して、多施設の医師主導型臨床試験やコホート研究を実施し、虚血性心疾患や糖尿病などの日常的な疾患について、薬剤など治療の効果やイベントの発生率、危険因子などを測定している。研究アイデアの段階から臨床医としての視点と疫学・統計学的な観点とを勘案しながら研究を企画し、解析、発表に繋げている。
  2. 日常診療の質に関する研究:
    多施設コホート研究を実施し、日常診療の質に関する指標を測定している。例えば、入院患者に発生する医原性有害事象、特に薬剤性有害事象や転倒、院内感染を定量的に解析し、リスクの高い医療行為や診療環境を提示し、患者の安全や診療の質の改善に結びつけている。
  3. 臨床推論に関する研究:
    医療面接や診断プロセス、医師の判断を定量することで、それらのプロセスや判断に関連する因子を探索している。これらの解析を通じて、よりよい医療面接や臨床推論、診断プロセスを提示し、医学教育に繋がる結果を見いだしている。
  4. 臨床研究の方法論に関する研究:
    臨床現場の不確実性や複雑さ、患者の行動特性、科学的な堅牢性など、様々な要素を同時に勘案した上で、臨床上の疑問を解決するための臨床研究の方法論を探索すると同時に、実際の臨床研究を通じて検証している。これらの臨床研究の実践を通じて、よりより臨床研究の方法論を提案している。
  5. 臨床研究スキルの教育に関する研究:
    臨床研究は臨床疫学や生物統計学の専門家が関与するだけでは、科学的でありかつ臨床に即した臨床研究は実施できない。臨床医や医療従事者が臨床疫学や生物統計学の要素を理解しつつ主体的に臨床研究を行うことが重要であり、そのために必要な臨床研究スキルの教育法について検討している。

自己評価・点検及び将来の展望

領域横断的な研究内容の性格上、様々な臓器別診療科や学内、学外の医療機関、研究機関と協力して研究を進めている。そのため、人事交流も盛んであり、また研究場所は学内に留まらない。それらの中でも、本講座が中心となって研究を行い、研究代表者として競争的研究資金を得ている研究領域と、共同研究が中心である研究領域の二つに大別され、そのバランスを取って研究を進めていくことが重要である。これまでのところ、そのバランスはよく保たれており、多くの競争的研究資金も代表者として獲得し、論文のアウトプットも順調である。特に医原性有害事象に関する臨床疫学研究は、国内唯一の研究拠点として国際的にも評価が高い。これらのオリジナルな研究を引き続き発展させていくことに加えて、共同研究や人事交流、臨床研究スキル教育を通じて多くの臨床研究が本講座から発信されることが期待される。