大動脈弁狭窄症とは

重症化すれば命に関わります

心臓と大動脈を隔てている弁(大動脈弁)の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる状態のことです。原因は加齢や動脈硬化によることが多く、近年その患者数は増加傾向にあります。
大動脈弁狭窄症は軽症なものでは症状が現れにくいため、狭心症(胸の痛み)、失神、心不全症状(息切れなど)などの重症の症状が現れてから発見されることも多くあります。一般的にこのような症状が現れた際には治療適応と考えます。
重症の大動脈弁狭窄症の場合、早期に治療を行わないと突然死の危険性を伴い予後不良と言えます。


「大動脈弁狭窄症」 の治療とは…

今までの重症大動脈弁狭窄症の治療法は、手術(開胸)により大動脈弁を人工弁に置き換える方法(大動脈弁置換術)でありましたが、高齢の方や他の疾患を患っている方で手術リスクの高い場合は手術が困難と判断される場合が多くありました。
経カテーテル大動脈弁留置術 「 TAVI (タビ)」 は、カテーテルと呼ばれる医療用の管を用いて大動脈弁を人工弁に置き換える治療法で、従来の開胸大動脈弁置換術よりも低侵襲であり、手術が困難と判断された高齢の方でも可能な大動脈弁狭窄症の新しい治療方法となります。