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丹波篠山圏域在住高齢者コホート研究:FESTA(Frail Elderly in the Tamba-Sasayama Area)研究

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

フレイル、サルコペニア、認知機能障害、骨粗鬆症、生活習慣(食事、身体活動、睡眠、社会活動)、バイオマーカー、QOL

分野

老年学、老年医学、予防医学、健康増進学

概要

我々は、2015年11月から、ほぼ自立した(介護保険認定外もしくは要介護Ⅰ以下)丹波圏域在住高齢者を対象としたコホート研究(Frail Elderly in Sasayama-Tamba Area: FESTA)を主催している。本研究の目的は,農村部在住高齢者のQOLに資する要因を、身体的,心理的,社会的,環境的側面から学際的に検討することである.特に高齢期における自立度の低下、要介護状態に陥る原因となるフレイル(frailty)の発症要因を明らかにし、健康長寿達成に寄与する生活習慣、環境要因の同定を目指している。さらにフレイル、サルコペニアに関する生物学的バイオマーカーの探索を行っている。
集合型の調査を年6回、ささやま医療センターリハビリテーションセンターで実施している。調査項目は自己記述と面接によるアンケート調査(ADL、認知機能、うつ状態、QOL、栄養、内服薬調査等)、医学生物学的調査(身体計測、運動機能、血液検査、超音波検査、口腔機能検査)、身体活動量計測、追跡調査からなる。
これまでに総参加者数は、1,073名で、2回以上参加した研究協力者も718名を数えた(2023年3月時点)。2023年度は、集合型の調査研究に加え、手紙、電話での生存確認や疾病発症、介護認定状態調査を行う計画である。

何が新しいか?

農村部在住高齢者のQOLに資する要因を、多角的に解析する大規模なコホート研究であること。また、他の研究機関・自治体と連携して、調査対象を広げていること。

他の研究に対する優位性は何か?

本コホート研究は、以下のような対象者で特徴的なデータを取得しており、健康増進や、健康長寿の達成を目的とした研究に適している。

  • 一般的な健診での検査項目以外に、学際的で多面的な調査項目を含む。身体機能を含む医学的指標に加え、心理的、社会的側面に関する多数の横断的、縦断的データを有する。
  • 対象者は地域在住の比較的健康度、自立度ともに高い高齢者であり、医療機関で収集されるデータに対して、対照群としてのデータになりうる。
  • 既に縦断的データとしては、5-6年間隔でのデータセットも高齢者約400名分、有している。進行中の研究であり、高齢者の横断的データを年間300名以上収集できる。

どのような課題の解決に役立つか?

「健康寿命の延伸」の観点から、フレイルの早期診断・予防が喫緊の課題である。
本研究では、フレイルの発症要因を明らかにし、健康長寿達成に寄与する生活習慣、環境要因の同定を目指している。さらにフレイル、サルコペニアに関する生物学的バイオマーカーの探索を行っており、上記の課題解決に繋がることが期待できる。

他への応用・展開の可能性

FESTA研究は、2022年度から国立長寿医療研究センターが主催する日本全国の高齢者コホート研究の統合研究、ILSA-J(Integrated Longitudinal Studies on Aging in Japan)に加入し、日本人高齢者の老化度評価指標作成および健康増進対策開発にも携わっている。

関連する特許

参考図表

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研究者情報

氏名 新村 健
所属 医学部 総合診療内科学
専門分野 老年学、老年医学、予防医学、健康増進学
学内共同研究者 長澤 康行、庄嶋 健作、永井 宏達、松沢 良太、橋本 佳奈、辻 翔太郎、大西 政彰
関連リンク 研究室HP

企業との協業に何を期待するか?

製薬企業や診断薬企業と協業し、フレイルの早期診断、予防・介入に関わる共同研究の実施など

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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