診療グループ
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消化器グループ
慢性便秘、腹痛、下痢、嘔吐、血便など、小児の消化器症状を中心に診療しています。必要と判断した場合には、消化器内科、IBDセンター、小児外科と連携し、上部・下部内視鏡検査、小腸カプセル内視鏡検査、消化管造影検査を行い、診断を確定します。
さまざまな治療に反応しない慢性機能性便秘では、子どもの排便に対する恐怖心が背景にある場合も多く、心理的アプローチについてご家族にも理解を深めていただきながら診療を進めています。
好酸球性消化管疾患については多数の診療実績があります。内視鏡検査時に消化管組織を採取し、病理検査を行って確定診断します。食物のつかえ感、嚥下困難、食後早期の嘔吐では好酸球性食道炎が原因となることがあり、薬物療法を行います。頑固で繰り返す強い腹痛は好酸球性胃腸炎と診断されることが多く、薬物療法で十分な効果が得られない場合には食事療法も行います。好酸球性胃腸炎では起立性調節障害の症状を合併することも多く、神経グループと連携して診療しています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)については、腹痛、下痢、血便などの症状から速やかに診断し、治療を開始します。IBDセンターと連携しているため、移行期医療も含めた切れ目のない診療が可能です。
また、器質的疾患が認められない機能性消化管疾患に対しては、漢方薬を用いた治療も行っています。大学病院として多診療科と連携できることも大きな強みであり、すべての子どもたちが「あたりまえの日常」を取り戻せるよう診療を続けています。
筋・代謝・遺伝グループ
小児の筋・代謝疾患をはじめ、多くの小児疾患に遺伝子の変異が関わっています。私たちは、そのような小児疾患に対する遺伝子診断・分子病態の解明とともに、新規治療法の開発を行なっています。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する分子治療法の開発と実践
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、頻度の高い遺伝性筋疾患ですが、未だ根治治療法はありません。そのような中、私たちは、アンチセンスオリゴヌクレオチドによるエクソンスキッピング誘導治療の開発、そして臨床の現場での実践を行なっています。また、ナンセンス変異リードスルー療法を開発するとともに、日本医師会治験促進センターの支援を受け、アルベカシンによるナンセンス変異リードスルー誘導治療の医師主導治験を行っています。これらの治療法は、患者さんの遺伝子異常に応じた、オーダーメイドの分子治療です。一方、遺伝子異常の種類に関わらず、患者さんではプロスタグランジンの産生が亢進していることを明らかにしました。現在、プロスタグランジン産生を抑制する治療の臨床医研究にも取り組んでいます。
先天代謝異常症の診断・治療
現在、タンデムマスによる新生児代謝異常症のマススクリーニングが行われています(兵庫県では2012年より)。このスクリーニングにより乳幼児に突然死を起こすような疾患を早期に診断し治療することにより、突然死を未然に防ぐことができます。私たちは、このマススクリーングで精密検査が必要になった赤ちゃんに対する的確な診断、そしてその後の治療を行なっています。
遺伝性疾患への包括的医療の実践
筋疾患・代謝疾患のみならず、多くの小児疾患に遺伝が関与しています。そのような疾患の患者さんに対し、臨床遺伝専門医による診断・治療を行っています。さらに、臨床遺伝部、産婦人科など院内各診療科との連携のもと、遺伝子診断・遺伝相談など患者さん、ご家族のニーズに応じた診療を行っています。
腎臓グループ
診療の特徴
当グループでは、小児の「腎臓」「尿路」「尿」に関わる疾患全般を専門に診療しています。乳幼児健診や学校検尿で異常を指摘されたお子さんの精密検査・診断・治療から、専門的検査、慢性疾患の長期管理、腎移植後管理まで一貫して対応しています。
診断面では、過去20年間にわたり約1,000例の小児腎生検を実施してきました。腎生検は、腎臓の組織を一部採取して顕微鏡などで詳しく調べる重要な検査ですが、当グループでは大きな合併症なく安全に施行してきた実績があります。ネフローゼ症候群や各種腎炎の診断・治療においても豊富な経験を有しています。
また、血液浄化療法を要する症例についても、腎透析科、泌尿器科、集中治療部などの関連診療科と連携しながら対応しています。小児腎移植においても、術前・術後管理に積極的に関わり、輸液管理や免疫抑制療法の調整を含めた継続的な診療を行っています。
さらに、子どもたち自身が病気を理解し、治療に主体的に関わっていけるよう支援することも大切にしています。看護師、薬剤師、栄養士などの多職種と連携しながら、お子さんとご家族に寄り添った診療を心がけています。
研究面では、臨床研究と基礎研究の両面から小児腎疾患に取り組み、その成果を国内外の学会で発表しています。常に知識と技術の向上に努め、安全で質の高い医療と先進的な治療の提供を目指しています。また、小児腎疾患を幅広く経験できる体制を整えており、腎臓病専門医取得を目指す医師にとっても充実した研修環境を備えています。
主な対象疾患・診療内容
- ネフローゼ症候群
- 急性糸球体腎炎
- 慢性糸球体腎炎(IgA腎症、紫斑病性腎炎、膜性腎症、Alport症候群 など)
- 血管炎・膠原病関連腎疾患(IgA血管炎、ループス腎炎 など)
- 急性腎障害
- 慢性腎臓病
- 血液浄化療法
- 高血圧
- 尿路感染症
- 先天性腎・尿路異常
- 尿細管間質性疾患
- 水・電解質異常
- 腎移植後管理
- 夜尿症
血液・腫瘍グループ
我々、血液腫瘍グループは白血病や悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群などの血液腫瘍疾患をはじめとして、再生不良性貧血、自己免疫性血小板減少症、免疫不全疾患など血液疾患全般の治療を行っています。各種幹細胞移植も難治性血液腫瘍疾患に対してこれまで90例に行っています。 また神経芽細胞腫、ウイルムス腫瘍、横紋筋肉腫、骨肉腫、奇形腫、ランゲルハンス細胞組織球症、肝芽腫、脳腫瘍などの各種小児固形腫瘍疾患についても、各疾患の治療研究グループに属し、小児外科や脳神経外科・整形外科・放射線科などと連携し、化学療法・手術療法・放射線療法・造血幹細胞移植などによる集学的治療を行っています。 長期入院中の子供たちには院内学級(小学校、中学校)を設置しており、年齢にあわせて保母さんや学生ボランティアのサポートも適宜お願いしています。
外来治療においても、血友病などの出血性疾患に対し、治療、日常生活の指導、在宅自己注射の早期導入に力を入れています。また、好中球減少症や先天性溶血性貧血、免疫不全疾患などの治療も行っています。
治療研究参加グループ一覧: 日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)、日本小児神経芽細胞腫(JNBSG)、日本ウィルムス腫瘍スタディーグループ(JWiTS)、日本横紋筋肉腫研究グループ( JRSG)、日本小児脳腫瘍コンソーシアム、日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ(JLSG)、日本小児肝癌スタディーグループ( JPLT)など
新生児グループ
1989年の開設以来、当院は兵庫県阪神地区の周産期センターとして、産婦人科と連携しながら地域の周産期医療を担ってきました。現在、日本周産期・新生児医学会基幹研修施設であり、NICU 15床、GCU 12床を有する兵庫県阪神地区の総合周産期母子医療センターに指定されています。
診療内容は、超低出生体重児から呼吸障害を伴う正期産児、重症新生児仮死に対する低体温療法、新生児遷延性肺高血圧症に対する一酸化窒素吸入療法、小児外科疾患・小児泌尿器科疾患まで、多岐にわたる病態に対応しています。先天性心疾患症例については、兵庫県立尼崎総合医療センターおよび兵庫県立こども病院へ紹介し、適切な専門治療につなげています。
現在、周産期専門医(新生児)は4名在籍し、そのうち2名が指導医です。若手医師にとっても安心して研修できる体制を整えており、新生児科をサブスペシャリティとして志す医師は、当院および関連施設での研修を経て、兵庫県立こども病院で専門研修を行った実績もあります。
今後も看護スタッフとともに、安心・安全な医療提供を第一に、阪神地域の周産期医療を支える一員として診療に取り組んでまいります。
内分泌グループ
ヒトには数多くのホルモンが存在しています。成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、副甲状腺ホルモン、インスリンなどですが、内分泌疾患とはこのホルモンバランスに異常を来して発症します。身体症状としては、低身長、高身長、身体的おませ、倦怠感、多汗、頻脈、落ち着きがない、多飲多尿など様々な症状が現れます。小児における代表的な内分泌疾患は、成長ホルモン分泌不全性低身長、思春期早発症、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、先天性副腎過形成症、副甲状腺機能異常症、糖尿病などです。病気によっては早期の治療が功を奏しますので、早期発見、早期治療が重要となります。当内分泌グループではこれらの疾患の診断から治療までを一貫して行っています。
アレルギーグループ
当グループは気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、蕁麻疹、花粉症など小児アレルギー疾患の治療を各学会のガイドラインに準じて行っています。アレルギーを有する子供は様々な制約を受けますが、できる限り健康な子供と同様の生活が送れるようにお手伝いするのが、我々の役割と考えています。当グループはアレルギー専門医3名と研修医、レジデントで診療に励んでおります。
気管支喘息では 生活環境整備の指導、喘息日記の活用、ピークフローモニタリング、気道可逆性試験、運動負荷試験などを用い、ガイドラインに沿った重症度の評価を行い、適切な薬物療法を選択しています。
小児のアトピー性皮膚炎は、近年増加傾向にあり、小児科外来でも診療する機会が非常に多くなってきています。未だ病態生理に関しては解明されていないところも多く難治性の慢性の病気です。アトピー性皮膚炎はアレルギー的側面と非アレルギー的側面を併せ持つ厄介な病気ですが、適切な軟膏療法と、徹底したスキンケアで改善される患者様も多数おられます。
食物アレルギーも近年増加傾向にあります。特に給食における事故は社会問題になっています。食物アレルギーは患児のみならず家族への負担も多い病気です。食物アレルギーの最も重要な点は正しい診断にあります。家族の判断で不必要な除去をしている場合も多く見受けられます。昔は除去食が治療の中心でしたが、最近は食べて治す経口免疫療法が有効とされています。診断のために採血、プリックテスト、食物負荷試験を行い、耐性を獲得する(食べられるようになる)ため緩徐経口免疫療法を行っています。この治療で注意しなければならないことは、脱感作と耐性獲得とは違うものであるということです。脱感作とは、食べ続けていれば症状なく食べられる状態のことで、耐性獲得とは普通の人と同じように、食べても食べなくても症状が出ないことを言います。つまり脱感作では食べない期間が存在して、久しぶりに食べると症状が出てしまうことがあります。脱感作獲得は比較的達成しやすいのですが、耐性獲得はそれほど容易ではありません。治療は自己判断でするのではなく、必ず専門医と相談して行う必要があります。除去食が多品目に及ぶ場合は栄養指導を行っています。アナフィラキシー症状の強い患児には、十分な指導の上エピペン(アナフィラキシー症状を緩和する自己注射)を処方しています。また地域の先生方との病診連携も積極的に行っております。
※当施設では原因食品を短期間で増量する急速経口免疫療法は安全上の理由から行っておりません。
なお当小児科は日本アレルギー学会より教育認定施設に認定されており、診療のみならず教育にも力を入れております。
神経グループ
神経グループでは、幅広い小児神経疾患の診療を行っています。入院症例では、けいれん性疾患(てんかん等)、脳性麻痺、神経筋疾患、変性疾患が中心です。外来では、てんかん、神経発達症、慢性頭痛の症例が多く、そのほか入院症例の在宅管理、脳性麻痺、不随意運動など多様な疾患に対応しています。
神経分野という特性上、院内のみで完結することが難しい症例も多く、院外のリハビリ専門病院や療育施設などと連携しながら診療を行っています。また、小児神経疾患に対する多施設共同研究を行っており、てんかん、希少難治性疾患、超重症児の臨床病態の解析や治療法の確立を目的とした臨床研究に取り組んでいます。
さらに、専門医が少ないとされる小児慢性頭痛についても、臨床像や病態の解析、治療法の確立を目的とした研究を進めています。特に、一次性頭痛との鑑別が難しい起立性調節障害や、心理社会的要因が関連する頭痛の診断・治療について詳細に検討しています。
多様な神経疾患に対応するため、院内外のセミナーや勉強会への積極的な参加を推奨しています。当科は、小児神経専門医、てんかん専門医、頭痛専門医の専門医研修施設として認定されており、これらの専門医取得に向けた研修も可能です。