学会長あいさつ

 
 29回日本健康医学会総会を2019119日(土)に、兵庫県西宮市の兵庫医科大学にて開催させていただくことになりました。

 今回の学会総会のメインテーマは「環境と健康」としました。「健康」について考える際には、私たちを取り巻くさまざまな環境が健康に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
 本学会の「理念と概念」においても、健康医学は「生体側の要因と環境要因とのバランスに着目する必要がある」とされています。わが国では、かつての高度経済成長期に水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜん息など、環境汚染による深刻な健康被害を経験しました。その後、わが国の環境は大きく改善してきましたが、近年でも福島県での原子力発電所事故による放射能汚染、建築物の解体にともなうアスベストの飛散など、さまざまな環境問題に直面しています。世界に目を向けますと、アジア・アフリカの新興諸国を中心として経済発展がめざましく、それに伴ってさまざまな環境汚染が発生し、時には国境を越えたグローバルな問題となっています。
 また、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加による地球温暖化の影響は私たちの健康にとって非常に切実な問題となりつつあります。本学会総会が、こうした環境と健康との関係について考えていただく機会になることを期待しています。

 特別講演は、和歌山県立医科大学の吉益光一先生にお願いしました。吉益先生のご専門は精神保健であり、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」にも関わっておられますので、今回は近年注目されている注意欠如多動性障害(ADHD)と環境及び遺伝要因の関係についてご講演いただく予定です。
 一般講演は、例年同様に幅広いテーマでご応募いただきたいと存じます。本学術総会はアットホームな雰囲気で建設的な議論をすることが特徴でもありますので、若手研究者や学生さんが初めての研究発表をされる場としても有意義な機会になると考えています。

 本学会総会が関西で開催されるのは9年ぶりとなります。兵庫医科大学は大阪と神戸のちょうど中間地点にあり、交通アクセスは非常に便利なところです。総会が開催される11月上旬は気候もよい時期でありますので、総会終了後にはぜひ大阪または神戸の魅力を楽しんでください。多くの皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。


CEO



                         第29回日本健康医学会総会
                            学会長 島 正之
                          兵庫医科大学公衆衛生学教授

第29回日本健康医学会総会事務局

兵庫医科大学公衆衛生学講座
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