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ストレスが腸の痛みを悪化させる仕組みを解明

情報更新日 2025年12月26日

シーズ情報

キーワード

ストレス、交感神経、エオタキシン-1

分野

内臓痛、過敏性腸症候群(IBS)、神経免疫

概要

過敏性腸症候群(IBS)はストレスにより症状が悪化する代表的疾患であるが、その発症や悪化におけるストレスとの因果関係や分子機序は長らく不明であった。
本研究では、幼少期ストレス動物モデルおよび化学遺伝学的手法により交感神経を制御した動物モデルを用い、交感神経の過剰な活性化が大腸粘膜への好酸球集積を促進し、内臓痛を誘発することを明らかにした。
さらに、この反応が腸管間葉系細胞およびエオタキシン-1を介して生じることを初めて示した。これらの結果から、ストレスによる交感神経の過剰な働きが腸管の免疫異常と内臓痛を引き起こす一因であることが明らかとなり、IBSに対する新規治療法の開発につながる可能性が示唆された。

何が新しいか?

IBS(過敏性腸症候群)の新たな発症メカニズムを明らかにした。
幼少期ストレスモデルおよび化学遺伝学的手法により交感神経を選択的に制御した動物モデルを用いて、交感神経の過剰活性化が大腸粘膜への好酸球集積を促進し、内臓痛を誘発することを示した。さらに、IBSの発症・症状悪化における腸管粘膜間葉系細胞の役割とエオタキシン-1の関与を初めて明らかにし、新たな治療標的の可能性を提示した。

他の研究に対する優位性は何か?

本研究は、腸管を支配する交感神経系を選択的に制御可能な独自の動物モデルを活用し、In vivoおよびIn vitroの両面から神経・腸管機能の関連メカニズムを多角的に解析している。
さらに、動物実験データとヒト臨床サンプルデータを統合的に検討することで、基礎から臨床へと展開可能なトランスレーショナル研究基盤を確立しており、臨床応用への発展が強く期待される。

どのような課題の解決に役立つか?

IBSは発症機序が未解明であり、現行の治療は主に症状を和らげる対症療法にとどまり、発症メカニズムに基づく根本的治療が確立されていないことが課題である。
本研究では、腸内環境と神経系の相互作用に着目し、病態の根本原因を明らかにしており、IBSの新規治療法の探索に繋がる。

他への応用・展開の可能性

エオタキシン-1を標的とした新規治療法の開発につながる可能性がある。

関連する特許

参考図表

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研究者情報

氏名 戴 毅
所属 解剖学神経科学部門
専門分野
学内共同研究者 段 韶琪
関連リンク https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352345X25001997?via%3Dihub

企業との協業に何を期待するか?

IBSの治療や内臓痛の緩和を目的とした以下のような協業
・ 候補物質や試薬の有効性評価
・ 作用機序の解析
・ 治療薬の探索など創薬に関する共同研究

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488