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細胞外小胞の産生臓器別プロファイルの作成、これを基盤とする生活習慣病の新規治療法開発

情報更新日 2025年12月26日

シーズ情報

キーワード

細胞外小胞、ミトコンドリア、生活習慣病

分野

生理学

概要

近年、細胞外小胞(EVs, extracellular vesicles)による臓器連関が注目され、miRNAや成長因子に加えてミトコンドリアの含有性も報告されている。培養細胞から採取した外因性EVsを投与してmiRNAや成長因子を障害臓器へ送達し、組織修復を図る再生医学が研究される一方で、ミトコンドリアやオルガネラの含有性や送達性は不明な点が多い。
本研究の長期的目標は、外因性EVs投与による「miRNA・ミトコンドリア・オルガネラの移植法」を確立し、生活習慣病や難治性疾患の新規治療戦略に成り得るかを検証することである。
ただし、外因性EVs投与を議論する前段階として、内因性EVsの生体内挙動は未解明である。血液からEVsを採取しても由来は不明で、主な産生臓器・標的臓器・由来ごとの内容物の詳細は未解明である。
以上から本研究は短期的目的として、内因性EVsの詳細を由来臓器ごとに解明する「産生臓器別プロファイル」の作成を掲げており、まずはこれに取り組んでいる。

何が新しいか?

従来のエクソソーム(small EVs)の研究では、細胞/組織培養の上清から得たEVsの解析が一般的だった。
本研究は、EVsについて、産生臓器別に由来を明確化し、内容物を包括的にプロファイルする点に新規性がある。
特に、EVs をミトコンドリアやオルガネラの臓器間輸送体として捉え、EVs を用いたオルガネラ移植という新しい治療概念を構築する試みはこれまでにない。

他の研究に対する優位性は何か?

本研究グループでは、small EVs の表面膜タンパクを標識した独自のレポーター動物を保有しており、EVs の産生臓器・放出量・標的臓器を生体内で可視化できる評価系を有する。
また、すでに臓器別に分離した EVs の miRNA 内包物に関する RNA-seq データを蓄積しており、産生臓器ごとの特徴的な分子プロファイルを明らかにする準備が整っている。

どのような課題の解決に役立つか?

本研究は、EVs を利用した miRNA・ミトコンドリア・オルガネラの機能的移植法の確立を目指すものであり、生活習慣病や難治性疾患に共通する「慢性臓器障害」「ミトコンドリア機能低下」という課題解決につながることが期待される。

他への応用・展開の可能性

 本研究は、以下の応用・展開の可能性がある。
①疾患バイオマーカーへの応用:
 産生臓器別 EVsプロファイルを確立することで、血中EVsの由来臓器が推定や疾患との関連するバイオマーカー探索に応用可能と考える。
②創薬スクリーニングプラットフォームへの応用:
 レポーター動物や臓器別EVs RNA-seqデータを組み合わせれば、創薬スクリーニングプラットフォームの基盤構築に応用できると考える。

関連する特許

参考図表

 

研究者情報

氏名 齊藤 寿郎
所属 生理学(生体機能部門)
専門分野
学内共同研究者
関連リンク 講座紹介HP

企業との協業に何を期待するか?

本アイデアを発展させるため、EVsの性質解析や送達効率・治療効果の基礎検討を共同で進めていただける企業との協業を期待する。
将来的には、製剤化を見据えた初期検討も期待したい。

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488