慢性疾患患者への看護職者によるプレコンセプションケアに関する研究
情報更新日 2023年7月31日
シーズ情報
キーワード
プレコンセプションケア、慢性疾患、看護師
分野
母性看護学・助産学
概要
近年、妊娠前からの健康管理や計画的な妊娠・出産により、妊娠のアウトカムをより良いものにすることを目指すプレコンセプション・ケア(以下、PCCとする)が推進されている。特に、慢性疾患患者では、病状が流早産や低出生体重児など妊娠のアウトカムに影響し、妊娠が病状に影響するため、計画的な妊娠が望まれる。また、妊娠前に胎児に影響の少ない薬剤に変更したり、年齢によっては不妊治療を早期に開始するなど、妊娠希望の有無により治療計画が変わるため、患者の妊娠、出産についての知識や意向を適切に把握する必要がある。また、看護職者は、患者が妊娠・出産についての理解を深め、適切に意思決定できるように支援する必要がある。しかし、臨床現場においてこれらのことが適切に行われていない現状がある。慢性疾患患者のケアを行っている看護師を対象にした調査では、患者から妊娠・出産について相談された経験がある者は63%であったが、PCCの実施について自信がないと71%の者が回答している。そのため、慢性疾患患者がPCCを適切に受け、安心・安全で、より快適な妊娠・出産できることを目指して、慢性疾患患者をケアする看護師のPCC実践能力を高め、医師や助産師と連携して慢性疾患患者の妊娠・出産を支援するための研究を行っている。また、兵庫医科大学病院の看護外来でプレコンセプション外来を月3回行っている。
何が新しいか?
看護職者が医師や助産師と連携して慢性疾患患者を対象としたPCCを実践しているという報告はなく新規性が高い。
他の研究に対する優位性は何か?
患者の妊娠、出産についての知識や意向を適切に把握しやすい立場の看護職者がPCC実践能力を高める点
どのような課題の解決に役立つか?
妊娠希望の有無により治療計画が変わるため、慢性疾患患者のQOLの向上と良好な妊娠のアウトカムが期待できる。
他への応用・展開の可能性
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関連する特許
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研究者情報
氏名 | 西村 明子 |
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所属 | 看護学部 家族支援看護学 |
専門分野 | 母性看護学・助産学 |
学内共同研究者 | 田村 康子、川内 惠美子、片田 千尋、岡本 恵、神﨑 初美 |
関連リンク | 日本リウマチ看護学会HP |
企業との協業に何を期待するか?
プレコンセプションケア実践のための助言や、勉強会の開催、患者への説明資料の作成などを共同で行えると思います。
本研究の問い合わせ先
兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488