次世代を担う発展性が高い医療の研究を行っております。

シーズ集に関するお問い合わせ

重度要介護高齢者の便秘の状況と対策

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

腸電図、蠕動運動、超音波検査

分野

排便ケア

概要

高齢者施設入所中の重度要介護高齢者は、加齢に伴う腸管筋層の萎縮や腸管の高振幅大腸収縮波を誘発するような効果的な運動ができないこと,食物繊維を除去せざるを得ない食事形態により食物繊維の摂取が低下すること,さらに脳血管障害等による便意の不感知や併存疾患治療のための便秘になりやすい薬物の服用などから,便秘を発生する可能性が高い。排便管理方法として、3日間排便がなければ大腸刺激性下剤を服用することが多い.
腹部単純エックス線写真と超音波画像による大腸内容物の移動や, 腸電計による大腸平滑筋の収縮回数と電位差(蠕動運動),排便状況やアクチグラフによる日常生活状況について観察した.その結果,大腸刺激性下剤を服用していても蠕動運動は小さく少なく,大腸内には常時ガスと便が貯留していたことが分かった.

何が新しいか?

慢性便秘症については、診療ガイドラインが策定され、便秘に対する薬物療法も選択の幅が広がっているが、便秘へのケア介入に関する研究は不十分である。

他の研究に対する優位性は何か?

大腸の蠕動運動の観察・アセスメントに基づく点

どのような課題の解決に役立つか?

重度要介護高齢者特有の事情、運動不足、食物繊維不足、薬剤の影響、下剤への大腸の応答の低下などを踏まえた便秘の課題の解決

他への応用・展開の可能性

臨床では重度要介護高齢者のみならず、便秘はどの年代であってもよく遭遇する事象であり、大腸の蠕動運動の観察・アセスメントに基づく排便ケアは幅広く応用できる

関連する特許

関連する論文等

  1. Tsuchida, T., Miyamae, N., Yamada, E., and Masuda, T. Evaluation of the colon activity using electrogastroenterogram among bedridden elderly adults taking daily laxatives. 8th Asia Pacific Enterostomal Therapy Nurse Association (APETNA2019)
  2. Yamada, E., Miyamae, N., Masuda, T., Tsuchida, T. Exploratory study toeEstablish an effective intervention method for constipation among bedriddenpPatients of advanced age in nursing homes. 8th Asia Pacific Enterostomal Therapy Nurse Association (APETNA20)
  3. 宮前奈央, 土田敏恵, 山田絵里, 増田富美子. 腸電図計を用いた下剤服用中の寝たきり高齢者における大腸活動の解析. 第28回日本創傷オストミー失禁管理学会学術集会
  4. 増田富美子,土田敏恵,宮前奈央,山田絵里. 要介護4以上の施設入所高齢者の排便状況と日常生活活動量の関連.第45回日本看護研究学会学術集会.O-102 日本看護研究学会雑誌 2019, 42(3) 3-465

参考図表

01.png

 

02.png

研究者情報

氏名 土田 敏恵
所属 看護学部 基盤看護学分野
専門分野 排便ケア
学内共同研究者 宮前 奈央
関連リンク 研究科HP

企業との協業に何を期待するか?

大腸の蠕動運動の観察・アセスメントに有用な超音波検査機や腸電計などの機器を用いた腸蠕動の評価システムの開発、便秘対策と評価に関する共同研究

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

他の研究内容を検索